台湾旅行では移動手段の一つとして、タクシーを利用する機会が多くあります。台北や高雄など都市部では数も多く、目的地までスムーズに移動できるため、観光客にも便利な交通手段です。
日本と比べると料金も安く、短距離移動なら気軽に使えるのが魅力です。ここでは、台湾のタクシー運賃の目安や、主要エリア間の料金について詳しく紹介します。
台湾のタクシー運賃・初乗り料金は

台湾のタクシーはメーター制で、初乗り料金は70元(約330円)で1.25kmまで乗車可能です。その後は250メートルごとに5元(約24円)ずつ加算されていきます。また、深夜23時から翌朝6時までは深夜割増が適用され、料金が20%加算されます。
台北市内から各エリアまでの目安料金
台北市内から主要観光地へのタクシー料金の目安は以下の通りです。台北駅から台北101まではおよそ120〜150元(約570〜710円)、士林夜市までは約150〜180元(約710〜850円)ほどです。桃園空港まではやや距離があり、料金は1000〜1300元(約4,700〜6,200円)が目安となります。
九份へ向かう場合は高速道路を利用して片道約1200〜1500元(約5,700〜7,100円)程度かかります。複数人で乗ればコストパフォーマンスも高く、時間を節約できるのがタクシー移動の大きなメリットです。
台湾のおすすめタクシー会社や種類

台湾では信頼性の高いタクシー会社や便利な配車アプリが充実しており、観光客でも簡単に利用できます。基本的な初乗り運賃は共通していますが、配車方法や追加料金、支払い方法に違いがあります。ここでは、主要4サービスの特徴と料金の違いを詳しく紹介します。
台灣大車隊(台湾タクシー)
台灣大車隊は台湾最大のタクシー会社で、全国に約8,000台を展開。初乗り料金は70元(約330円)で1.25kmまで、それ以降は250mごとに5元(約24円)加算されます。時速5km以下での走行時や信号待ちでは80秒ごとに5元が加算される仕組みです。深夜23時〜翌朝6時には20%の割増料金がかかります。
アプリ配車を利用する場合、通常運賃に加えて配車手数料が30元(約140円)かかることがあります。クレジットカード、悠遊卡、Apple Payなど多様な決済に対応しており、車両の清潔さや安全性にも定評があります。
大都會計程車(メトロポリタンタクシー)
大都會計程車は台北市を中心に約5,000台の車両を運行する大手タクシー会社です。料金体系は台灣大車隊と同様で、初乗り70元(約330円)・250mごとに5元加算・深夜割増20%というメーター制です。配車アプリで予約する際は、30元前後の配車料金が加算される場合があります。
高級車両や大型車の指定が可能で、その際は追加料金(50〜100元)が発生します。清潔な車内と運転手の丁寧な対応が特徴で、観光やビジネスの移動におすすめです。支払いは現金・クレジットカード・一部電子マネーに対応しています。
LINE GO
LINE GOは、台湾版LINEアプリから利用できる配車サービスで、言語の壁を感じにくいのが大きなメリットです。操作画面は日本とほぼ同じで、現在地と目的地を入力するだけでタクシーを手配できます。料金は通常のタクシーと同じく初乗り70元(約330円)、以降は250mごとに5元(約24円)が加算されます。
混雑時には「繁忙料金」として20〜50元(約95〜240円)が追加されることもあります。車両は台湾の正規タクシーで、LINE Payによるキャッシュレス決済が可能です。アプリ上でドライバー情報や到着時間を確認できるため、初めての土地でも安心して利用できます。
Uberタクシー
Uberタクシーは、台湾でも正式に認可されたタクシーサービスとして利用されており、アプリからの簡単な操作でタクシーを呼ぶことができます。料金は基本的にメーター制で、初乗りは70元(約330円)、250mごとに5元加算、深夜(23時〜翌6時)は20%割増です。
加えて、Uberのシステム手数料として15〜30元(約70〜140円)が加算されることがあります。料金の目安やドライバー情報は事前に確認できるため、安心して利用できます。支払いは完全キャッシュレスで、登録したクレジットカードやApple Payなどで精算ができます。
台湾のタクシーの乗り方・呼び方・流れ

台湾ではタクシーが街中を多く走っており、手軽に利用できます。流しのタクシーを拾うだけでなく、アプリやコンビニからの配車も可能で、目的や状況に応じた使い分けが便利です。ここでは、タクシーの探し方・呼び方を中心に、乗車までの流れをわかりやすく紹介します。
タクシーを探す・呼ぶ
台湾ではタクシーを見つける方法が複数あり、都市部では流しのタクシーを拾うのが一般的ですが、アプリ配車やコンビニからの呼び出しも便利です。混雑時や深夜、観光地では特に事前配車が安心です。
手を挙げて流しのタクシーを呼ぶ
台北や高雄などの都市部では、道路を走るタクシーの「空車」ランプを確認して手を挙げることで簡単に乗車できます。空車時には前方ガラスに「空車」や赤いランプが表示されています。
乗車する際は自分でドアを開け、後部座席に乗り込みます。交差点やバス停など停車が禁止されている場所ではタクシーは停まれないため、少し移動して待機するのがポイントです。特に観光地周辺では待機タクシーも多く、スムーズに利用できます。
アプリを使ってタクシーを呼ぶ
台湾では「台灣大車隊」や「大都會計程車」、「LINE GO」「Uber」などの配車アプリが普及しており、スマートフォンから簡単にタクシーを呼ぶことができます。位置情報を使って現在地に車両を呼ぶことができ、行き先も事前に指定できるため、言葉に不安がある旅行者にもおすすめです。
アプリ上では到着予定時間、車両番号、ドライバー情報なども確認でき、支払いもクレジットカードや電子マネーに対応しているため非常に便利です。
コンビニの機械からタクシーを呼ぶ
台湾の7-ELEVENやファミリーマートなどの大手コンビニには、マルチメディア端末(ibonなど)が設置されており、そこからタクシーを呼ぶこともできます。画面上で「叫車(配車)」の項目を選択し、必要情報を入力すると、コンビニ店舗に近いタクシーが手配されます。
端末操作が難しい場合は、店員にお願いすると手伝ってもらえることもあります。観光地や地方で流しのタクシーがつかまりにくい場合の有効な手段です。
タクシーに乗車する
台湾のタクシーはドアが自動ではなく手動式のため、自分で開けて乗車します。基本的には後部座席に乗りますが、運転手から案内があれば助手席に座ることもできます。シートベルトの着用が義務付けられており、違反すると罰金対象になるため、乗車後すぐに着用しましょう。
また、タクシーの定員は運転手を含めて最大5人までですが、荷物が多い場合は事前に相談するのが無難です。車内での飲食や喫煙は禁止されており、マナーを守って快適な移動を心がけましょう。
運転手に目的地を伝える
台湾のタクシー運転手は英語や日本語が通じないことも多いため、目的地は漢字で書かれた住所や施設名をスマートフォンや紙に準備して見せるとスムーズです。「我要去〇〇(ウォ ヤオ チュー〇〇)」と中国語で伝えるとより伝わりやすくなります。
地図アプリの画面を見せるのも有効な手段です。特に似た名前の場所が複数ある場合や繁華街では、区や通りの名前も併せて提示すると間違いを防げます。目的地が遠方の場合、高速道路を使うかどうかを事前に確認されることがあります。
料金を支払う
目的地に到着したら、メーターに表示された金額を確認して支払いを行います。台湾のタクシーは現金払いが主流ですが、大手タクシー会社や配車アプリ経由での利用では、クレジットカードや電子マネー(LINE Pay、悠遊卡など)にも対応しています。
チップは不要ですが、少額の端数を切り上げて渡すと好印象です。領収書が必要な場合は「請給我收據(チン ゲイ ウォ ショウジュ)」と伝えましょう。降車後は忘れ物がないか確認するのも忘れずに。
台湾のタクシーに乗る際の注意点

台湾のタクシーは便利で安価な交通手段ですが、日本とは異なるルールや慣習も多いため、事前に基本的な注意点を知っておくことが大切です。料金や安全面、マナーに関するポイントを押さえておけば、トラブルを避けて快適に移動できます。
メーターが動いているか確認する
台湾のタクシーはメーター制ですが、特に観光地や深夜の時間帯には、運転手がメーターを使わずに「固定料金」を提示してくることがあります。メーターを使わないと法外な料金を請求される可能性もあるため、乗車後すぐにダッシュボード付近の料金メーターが作動しているかを必ず確認しましょう。
初乗りは70元(約330円)で、250メートルごとに5元(約24円)ずつ加算されます。メーターが動いていない場合は、「請打表(チン ダー ビャオ)」と中国語で伝えれば対応してくれます。
台湾のタクシーは手動開閉
台湾のタクシーのドアは日本のように自動では開閉されません。乗車時・降車時ともに、自分の手でドアを開け閉めする必要があります。特に後部座席に乗る際は、後方からのバイクや車に注意してドアを開けましょう。交通量の多い道路では、不用意にドアを開けると事故につながる恐れもあります。
また、降車時にドアを勢いよく閉めるのはマナー違反とされており、丁寧にゆっくり閉めるのが望ましいとされています。ちょっとした配慮で、気持ちよくタクシーを利用できます。
必ずシートベルトを着用する
台湾ではタクシーを含むすべての車両で、乗客のシートベルト着用が法律で義務づけられています。後部座席でも例外ではなく、着用していない場合は乗客に最大1500元(約7,100円)の罰金が科される可能性があります。
実際に観光客が罰金を受けたケースもあるため注意が必要です。ベルトが見つからない場合は、座席と背もたれの隙間などをよく探してみてください。運転手から着用を促されないことも多いため、自分でしっかり確認して着用しましょう。
少額の現金で支払う
台湾のタクシーでは現金支払いが主流で、高額紙幣を出すと「お釣りがない」と断られることがあります。とくに1000元札(約4,700円)や500元札(約2,400円)は敬遠されやすく、料金が100〜300元前後になることの多いタクシー利用では、100元札や50元硬貨を多めに持っておくのが安心です。
カードや電子マネーが使えるタクシーも増えていますが、すべての車両が対応しているわけではありません。事前に確認し、念のため小額の現金を携帯しておくとスムーズに支払いができます。
台湾でタクシートラブルに遭った場合の解決方法

台湾のタクシーは比較的安全で信頼できますが、まれに料金トラブルや忘れ物、対応の悪い運転手に出会うこともあります。万が一トラブルに遭遇した際は、慌てず冷静に対処することが重要です。以下に、観光客でも実践できる具体的な対処法を紹介します。
タクシーのナンバープレートを控える
乗車時には、タクシーのナンバープレートを必ず控えておきましょう。ナンバープレートは車両前後にあるほか、車内にも運転手の登録証や車両番号が掲示されています。
これを記録しておくことで、トラブル発生時や忘れ物をした場合に、タクシー会社や警察へ正確に連絡することができます。写真を撮るか、スマートフォンのメモに記録しておくのが便利です。特に現金多めの支払い時や観光地からの移動時は、念のために控えておくと安心です。
警察に連絡する
万が一、料金の不当請求や運転手とのトラブルに発展した場合は、すぐに最寄りの警察に相談しましょう。台北市内など主要都市では、観光客向けの英語対応ができる警察官も配置されています。
「110」に電話すれば警察へ通報できますが、言語に不安がある場合は、ホテルスタッフや近くのコンビニ店員に助けを求めるのも有効です。また、「台北市公共車隊服務中心」など一部のタクシーサービスには通報窓口があり、電話やアプリを通じて運転手の行動を報告することも可能です。
まとめ
台湾のタクシーは、料金がリーズナブルで観光客にも使いやすい移動手段です。配車アプリの普及やキャッシュレス決済の対応など、利便性も年々向上しています。
乗り方や注意点をしっかり押さえれば、トラブルなく快適な移動が楽しめるでしょう。現地の文化やマナーに配慮しながら、安全で効率的に台湾の街を巡ってみてください。初めてでも安心して乗れる台湾のタクシーは、旅の心強い味方です。