台湾・台北の郊外に位置する「猫空(マオコン)」は、美しい山の景色と台湾茶の香りに包まれた癒しの観光地です。台北市内から約30分でアクセスでき、週末には現地の人々や観光客で賑わいます。
ロープウェイでの空中散歩や、茶芸館での本格的なお茶体験など、都会の喧騒を離れてゆったりとした時間を過ごしたい人にぴったりのスポットです。四季折々の自然も楽しめる猫空で、台湾ならではの魅力を味わってみてはいかがでしょうか。
台北の猫空概要

猫空は台北市文山区にある山あいの地域で、標高は約300〜400メートル。自然豊かな丘陵地に広がる茶畑や、眺望の良いカフェ・茶芸館が点在し、台北市内から気軽に行ける観光地として人気があります。観光と台湾の文化が融合した場所として、台湾らしさを感じられる穴場スポットです。

茶葉の有名生産地
猫空は台湾茶の名産地としても知られており、特に「鉄観音茶」が有名です。この地域は昼夜の寒暖差が大きく、霧が発生しやすいため、茶葉の栽培にベストな気候条件が揃っています。
茶畑では無農薬栽培を取り入れているところも多く、品質の高い茶葉が育ちます。観光客は茶園を見学したり、茶芸館で淹れたてのお茶を楽しんだりすることができます。茶芸館では、1壺300元前後(約1,400円)で香り高い鉄観音茶を味わえるのも魅力です。
猫空へはロープウェイで行ける
猫空へのアクセスには、台北動物園駅から発着する「台北ロープウェイ」が便利です。全長4.03km、最大高低差275mを誇るこのロープウェイは、約20分で山頂の猫空駅に到着します。途中にはガラス床のゴンドラ「水晶車廂」もあり、眼下に広がる緑の山々や茶畑の風景をスリルと共に楽しめます。
料金は通常ゴンドラで片道120元(約560円)、水晶車廂は150元(約700円)です。移動そのものが観光体験になるロープウェイで、猫空の自然と空気を存分に味わいましょう。
猫空観光の見どころ

猫空では、美しい自然に加え、台湾茶文化を身近に感じられるスポットが数多くあります。空中散歩が楽しめる猫空ロープウェイや、台湾の茶葉を使った料理、茶芸館での体験などが観光の魅力です。自然と文化、グルメを一度に楽しめる猫空は、台北観光の中でも異彩を放つ人気スポットです。
猫空ロープウェイ
猫空観光のハイライトは、やはり猫空ロープウェイです。全長約4.03kmの路線は、台北動物園駅から猫空駅までをつなぎ、途中に指南宮駅と動物園内駅があります。ゴンドラからは台北市街や山々の緑が一望でき、特に「水晶車廂」と呼ばれるガラス床の車両では、足元まで景色が広がり、スリル満点の空中散歩が楽しめます。
所要時間は約20分で、片道料金は通常車両が120元(約560円)、水晶車廂が150元(約700円)です。風景と移動を一体で楽しめる体験型観光として、訪れる価値は十分です。
台湾茶と茶葉料理などのグルメ
猫空では、現地の新鮮な茶葉を使ったグルメも大きな魅力です。特に「茶葉料理」と呼ばれる、茶葉を用いた創作料理が有名で、茶葉の天ぷら、茶香鶏、鉄観音入りのチャーハンなどが人気です。
これらの料理は、どれも香り高く、身体にやさしい味わいが特徴です。価格は一品あたり約200元〜300元(約940〜1,400円)で、景色を眺めながらのランチやディナーにもぴったり。また、多くの茶芸館では本格的な台湾茶の試飲も可能で、食事と一緒に豊かなひとときを過ごせます。

お茶の歴史
猫空は、台湾茶の歴史と深く結びついた地域でもあります。この地では清朝時代から茶の栽培が行われており、特に「鉄観音茶」の産地として知られています。
現在も多くの茶農家が伝統的な製法を守りながら栽培を続けており、訪問者は実際に茶葉の摘み取りや製茶体験ができる場所もあります。茶文化を学べる展示施設や茶芸館では、お茶の淹れ方や飲み方の作法なども紹介されており、知識と体験の両面から楽しめます。
猫空のおすすめスポット

台北市南部に位置する猫空(マオコン)は、標高約500メートルの山間に広がる自然豊かなエリアです。台北101を望む絶景や、四季折々の風景が楽しめることから、現地民や観光客に人気のスポットです。猫空で訪れるべきおすすめのスポットをご紹介します。

猫空小木屋
猫空ロープウェイ「猫空駅」から徒歩約4分の場所にある「猫空小木屋」は、洋風の料理と絶景が楽しめるレストランです。木造の温かみある建物は、地下1階から1階まで約200席を備え、テラス席からは台北市内や台北101を一望できます。
料理は自家製ピザやリゾット、ラムチョップなどの洋食が中心で、看板メニューの南瓜クリーム海鮮リゾットやシーフードピザが人気です。ドリンクは中国茶やハーブティー、コーヒーなど多彩に揃い、台湾茶の産地である猫空ならではの味わいを楽しめます。
- 施設名:猫空小木屋(猫空小木屋茶房)
- 住所:台北市文山区指南路三段38巷28号
- 営業時間:火~木曜・日曜 10:00~22:00、金・土曜 10:00~24:00
- 定休日:月曜
- 電話番号:+886-2-2939-0649
觀鼎
猫空ロープウェイ「猫空駅」から徒歩すぐの場所にある「觀鼎」は、上質な茶葉や茶器、お茶を使ったお菓子などを販売するお店です。鉄観音茶や包種茶を使用したソフトクリームも人気で、程よい甘さの中にお茶の香りが広がります。猫型クッキーがトッピングされたソフトクリームは、見た目も可愛らしく、観光客に人気です。
店内には落ち着いた木のテーブルが並び、ゆったりとした雰囲気の中でお茶やスイーツを楽しめます。お土産にぴったりなミニ茶葉セットやヌガー、クッキーなども取り揃えており、台湾茶文化を感じることができます。
- 施設名:觀鼎休閒茶園
- 住所:台北市文山区指南路三段38巷31号
- 営業時間:火~日曜 10:30~22:00
- 定休日:月曜
- 電話番号:+886-2-2939-9706
四爺
「四爺」は猫空ロープウェイ「猫空駅」から徒歩1分ほどの場所にある、高級感漂う茶芸館です。中国宮廷をイメージした内装は、金色の装飾や彫刻が施され、異国情緒にあふれた非日常的な空間を演出しています。個室が完備されているため、グループや家族での訪問にもおすすめです。
料理は本格的な台湾料理が中心で、茶葉を使った料理やスイーツも豊富。夕方から夜にかけては台北101を含む市街地の夜景が一望でき、特にロマンチックなディナーを楽しみたい方におすすめです。
- 施設名:四爺(Sih Ye Tea House)
- 住所:台北市文山区指南路三段38巷16-2号
- 営業時間:10:30~22:00(ラストオーダー 21:00)
- 定休日:月曜
- 電話番号:+886-2-2234-0140
樟樹歩道
猫空の自然を体感したい方にぴったりなのが「樟樹歩道」です。全長約3.2キロメートルのこの遊歩道は、クスノキ林や茶畑を通り抜ける緩やかなハイキングコースで、体力に自信のない方や初心者でも安心して歩けます。
道中には「聆風亭」という休憩所があり、そこから台北101や観音山などの大パノラマが楽しめる絶景スポットも。木漏れ日を浴びながらの散策は、猫空の自然と静けさを存分に味わえる癒しの時間を提供してくれます。
台北市立動物園
猫空ロープウェイの出発点「動物園駅」から徒歩すぐの「台北市立動物園」は、敷地面積約165ヘクタールを誇る東アジア最大級の都市型動物園です。
目玉は大人気のパンダ館で、愛らしいジャイアントパンダの姿を見ることができます。また、コアラやペンギン、マレーグマなども飼育されており、子どもから大人まで楽しめる内容が充実しているので、猫空観光の前後に立ち寄るのにぴったりなスポットです。
- 施設名:台北市立動物園(Taipei Zoo)
- 住所:台北市文山区新光路二段30号
- 営業時間:9:00~17:00(最終入園 16:00)
- 入場料:大人:100元(約470円)、子供(6~11歳):50元(約235円)
- 電話番号:+886-2-2938-2300
- 公式HP:https://www.zoo.gov.taipei/
猫空観光のおすすめシーズン
猫空は四季折々に異なる魅力を楽しめるスポットですが、気候や混雑を考慮すると訪問にぴったりな時期があります。特に新緑が美しく、気温も穏やかな春や秋が人気です。一方で、台湾最大の祝日「春節(旧正月)」の時期は観光客が急増するため、静かに楽しみたい方には避けるのが賢明です。
ベストシーズン
猫空観光のベストシーズンは3月から5月の春と、10月から11月の秋です。春は気温が20度前後と過ごしやすく、山一面に新芽が芽吹き、茶畑の緑が最も鮮やかになります。秋は空気が澄み、遠く台北市街まで見渡せる日が多くなります。
また、台風シーズンも過ぎ去り、安定した晴天が続く時期でもあります。この季節には茶芸館のテラス席で心地よい風を感じながら、ゆっくりとお茶を味わうのにぴったりです。自然と文化を同時に楽しみたい方には、この時期の訪問がおすすめです。

春節は避ける
猫空を訪れる際、避けたいのが旧暦の元日を中心とした「春節」(1月下旬から2月中旬)です。台湾全土が祝賀ムードに包まれるこの時期は、多くの市民が観光地へ足を運び、猫空も例外ではありません。
ロープウェイの待ち時間は1時間以上に及ぶこともあり、茶芸館やレストランも満席が続きます。また、春節期間中は天候が不安定になることも多く、霧や雨により眺望が楽しめない日もあります。
猫空ロープウェイの乗り方や料金

猫空へ向かうには、まず台北捷運(MRT)文湖線で「動物園駅」まで移動します。改札を出てすぐ隣がロープウェイの乗り場です。標準ゴンドラとガラス床の「水晶車廂」があり、所要時間は約20分。
片道料金は標準が120元、水晶車廂が150元です。窓からは眼下に広がる茶畑や山並みが一望でき、移動自体が観光体験となります。
ロープウェイのチケットの購入
チケットは駅窓口での対面購入と、券売機でのセルフ購入があります。窓口では日本語対応のスタッフがいる場合もあり、初めてでも安心です。
券売機は中国語・英語・日本語の表示切り替えが可能で、画面の案内に従って行き先(猫空駅)とゴンドラ種類(標準/水晶車廂)を選び、現金(新台湾元)または悠遊カード(EasyCard)をタッチして支払います。悠遊カード利用時は窓口も券売機もタッチのみでOK。1枚で往復割引はありませんが、スムーズに乗りたい場合には悠遊カードでの即時発券がおすすめです。

チケットの事前予約
台北ロープウェイには公式ウェブサイトや提携旅行会社を通じた事前オンライン予約サービスがあります。特に週末や連休、休日は窓口購入に長い列ができるため、事前予約で発券専用窓口を利用すると待ち時間を大幅に短縮可能です。予約時には日時、ゴンドラ種類、人数を入力し、クレジットカードで決済。
予約完了後に送られてくるQRコードを、現地の発券機にかざすだけでチケットに引き換えられます。手数料は発生しないか、若干のオンライン手数料(約10元〜20元)が追加される場合があります。
ロープウェイの休業日を確認
ロープウェイは定期点検や悪天候時に運休することがあります。通常は毎週月曜日の午前に保守点検が入り、その際は終日または午前中に運休となるケースが多いです。また、強風や集中豪雨など気象条件が基準を超えると安全確保のため即時運休が発表されます。
出発前には公式サイトまたは現地の案内掲示板で「運行情報」の最新状況を必ずチェックしましょう。特に梅雨期(6月〜7月)は午後に突風や雷雨が起こりやすいため、午前中の早い時間帯に利用するのが安全かつ確実です。
猫空へのアクセス・行き方
猫空は台北市中心部から約12kmほど離れた場所に位置し、自然と台湾茶文化が楽しめる人気観光地です。アクセス手段としては、電車とロープウェイを組み合わせるルートが最も一般的ですが、バスでの移動も可能です。どちらの手段も1時間以内で到着でき、景色を楽しみながらの移動が魅力です。
電車とロープウェイ
台北駅から猫空への一般的なルートは、MRT(台北捷運)文湖線に乗り「動物園駅」で下車、そこから猫空ロープウェイに乗り換える方法です。台北駅から動物園駅までは約35分、運賃は30元(約140円)程度。動物園駅からロープウェイに乗車すると、標準ゴンドラで片道120元(約560円)、ガラス床の「水晶車廂」では150元(約700円)です。
ロープウェイは約20分の空中散歩で、緑豊かな山々と市街地を一望できます。移動自体が観光になるルートとして、初めての猫空観光には特におすすめです。
バス
バスでのアクセスは、交通費を抑えたい旅行者に適しています。MRT「動物園駅」から「小10路」や「棕15路」などのバスに乗車し、約30〜40分で猫空エリアに到着します。運賃は15元〜30元(約70〜140円)とリーズナブルで、悠遊カードの利用も可能です。
運行本数は多く、10〜15分間隔で運行されています。バスはロープウェイと違って天候に左右されにくく、急な雨や運休の際の代替手段としても有効です。ただし、道がカーブの多い山道となるため、車酔いしやすい方は注意が必要です。
タクシー
台北市中心部から猫空までタクシーを利用すると、移動は非常にスムーズで快適です。所要時間は約30〜40分、料金は400元〜600元(約1,900〜2,800円)が目安です。複数人での利用なら割り勘でリーズナブルになり、荷物が多い場合や小さな子ども連れの旅行者にも適しています。
ドライバーに「猫空(マオコン)」または「猫空ロープウェイ」と伝えれば問題なく通じます。帰りのタクシーは現地での台数が限られるため、Uberや台湾大車隊などの配車アプリを活用すると便利で安心です。

オプショナルツアー
観光に不慣れな方や時間を有効活用したい方には、猫空を含む台北郊外のオプショナルツアーもおすすめです。専用車による送迎や、日本語ガイド付きのプランが多く、ロープウェイのチケットが組み込まれていることもあります。
ツアー料金は内容により異なりますが、半日コースで1人あたり約3,000〜6,000円が相場です。他の人気スポット(例:九份や十份)とセットになっているコースもあり、効率よく観光したい方にぴったりです。自由な旅が苦手な方や年配の方にも安心して利用できます。

猫空観光の注意点
猫空は自然と茶文化が楽しめる人気観光地ですが、山間部ならではの注意点もあります。快適に猫空観光を楽しむためには、天気予報や営業時間のチェック、移動手段の確認を忘れずに行いましょう。
天候に左右されやすい
猫空は標高300〜400メートルに位置する山間部のため、台北市内に比べて天候の変化が早く、突然の雨や霧が発生しやすいエリアです。特に梅雨時期(6〜7月)や午後の時間帯は、にわか雨や濃霧で視界が悪くなることがあります。
猫空ロープウェイも悪天候時は運休となる場合があり、事前に公式サイトで運行状況を確認しておくことが大切です。また、天候によっては山の気温が市内より3〜5度低くなることもあるため、羽織ものを用意しておくと安心です。
ロープウェイの混雑に注意
週末や連休、特に春や秋の観光シーズンは、猫空ロープウェイが非常に混雑します。台北市民にも人気のスポットであり、待ち時間が1時間以上に及ぶことも珍しくありません。
混雑を避けたい場合は、平日の午前中に訪れるのがおすすめです。また、「水晶車廂」(ガラス床のゴンドラ)は特に人気が高く、待機列が長くなるため、乗車にこだわる場合は時間に余裕をもって行動することが重要です。事前予約や早めの到着を心がけましょう。
茶芸館や店舗の営業時間に注意
猫空エリアに点在する茶芸館やレストランの多くは、日没前に閉店するところがほとんどです。営業時間は午前10時〜午後5時または6時ごろまでが一般的で、夜遅くまで営業している店舗は少数派です。
そのため、夕方以降の訪問は、閉まっているお店が多くなる可能性があります。観光と食事の両方を満喫したい場合は、昼過ぎまでに到着するのが理想的です。事前に行きたい店舗の営業時間を調べておくと安心です。
まとめ
猫空は、台北市内からわずか1時間足らずでアクセスできるにもかかわらず、豊かな自然と台湾茶文化を存分に楽しめる癒しのスポットです。
ロープウェイからの絶景、茶芸館での本格的なお茶体験、茶葉を使った料理の数々など、五感で楽しめる魅力が満載です。市街地の喧騒を離れ、ゆったりとした時間を過ごしたい方におすすめな場所です。次回の台北旅行には、ぜひ猫空でのひとときをプランに加えてみてはいかがでしょうか。