台北の摩天楼が立ち並ぶ信義(シンイー)エリアの一角に、レトロな雰囲気が漂う「四四南村(スースーナンツン)」があります。かつて軍人とその家族が暮らした集合住宅地は、今ではカフェやアートギャラリーが並ぶおしゃれな観光スポットに変貌。都市の喧騒を忘れ、台湾の歴史や暮らしの記憶に触れられる、落ち着いた時間が流れる場所です。
四四南村の概要
四四南村は、戦後に建てられた軍人住宅地「眷村(ジュエンツン)」の一つで、現在は歴史建築を生かした文創エリアとして人気を集めています。
古い建物をリノベーションしたカフェや雑貨店が立ち並び、台北101を背景にした写真撮影スポットとしても有名です。信義エリアの中心にありながら、ゆったりとした時間を楽しめるのが大きな魅力です。
四四南村の歴史
四四南村は、1948年に中国本土から台湾へ移住してきた国民党軍の軍人とその家族のために建設された住宅地です。名前の由来は「第四四兵工廠」という軍需工場で、そこに勤務する人々の住まいとして整備されました。
狭い敷地に小さな家が密集して建てられ、住民同士のつながりが強い地域でした。台湾全土に点在していた眷村の多くは再開発で姿を消しましたが、四四南村は歴史的価値から保存され、今では観光地として再生されています。
四四南村に今も残る建物
現在も残る四四南村の建物は、当時の生活感を色濃く伝える平屋造りの住居です。灰色のレンガ壁に瓦屋根、細い路地が交差する様子から、かつての暮らしぶりが感じられます。
これらの建物は「好丘(HAO CHU)」などのベーグルカフェやアート雑貨店、ギャラリースペースとして活用され、歴史と現代の文化が融合した独特の雰囲気を生み出しています。外観はほぼ当時のままで、台北101を背景にしたフォトジェニックな風景が観光客に人気です。
四四南村のある信義(シンイー)とは
信義エリアは、台北101や高級ショッピングモール、近代的なオフィスビルが集まる、台湾の経済と流行の中心地です。MRT市政府駅から徒歩約10分の場所に位置し、観光やショッピングに非常に便利なロケーションです。
そんな現代的な街並みの中にありながら、四四南村は静かで温かみのある空間を提供しており、週末には手作り市や現地のアーティストによる展示会が開かれています。近代と伝統が交差する信義ならではの文化体験が味わえる場所です。
四四南村観光の見どころ
台北の近代的な街並みの中に、ノスタルジックな雰囲気を残す「四四南村(スースーナンツン)」は、歴史と文化、アートが融合した魅力的な観光スポットです。
ここでは、眷村文化を伝える資料館や、写真映えするスポット、人気のベーグルカフェや雑貨店、週末限定のマーケットなど、多彩な見どころが訪れる人々を魅了しています。
眷村文物館(ジュエンツンウェンウーグァン)
四四南村の敷地内にある「眷村文物館」は、台湾の戦後史を語る上で欠かせない「眷村(ジュエンツン)」文化を紹介する資料館です。館内には、当時の生活用品や写真、家具などが展示されており、1949年以降に中国大陸から移住してきた軍人とその家族の生活を垣間見ることができます。
再現されたキッチンや小売店の展示は、まるでタイムスリップしたかのような感覚を味わえます。眷村の歴史や文化に興味がある方にとって、貴重な学びの場となるでしょう。
- 施設名: 眷村文物館(ジュエンツンウェンウーグァン)
- 住所: 台北市信義区松勤街50号(四四南村内)
- 営業時間: 火曜日〜日曜日 9:00〜17:00(最終入館16:30)
- 休館日: 月曜日および国定祝日
- 入場料: 無料(大人・子供ともに)
- 電話番号: +886-2-2723-7937
- アクセス:MRT淡水信義線「台北101/世貿駅」2番出口より徒歩約5分
人気のフォトスポット
四四南村は、レトロな建物と近代的な台北101が同時に撮影できる絶好のフォトスポットとして知られています。特に、カラフルな扉や窓枠が並ぶ建物の前での撮影は、SNS映えする写真が撮れると人気です。
また、夕暮れ時には台北101が美しくライトアップされ、幻想的な雰囲気を楽しむことができます。写真好きな方や思い出を形に残したい方におすすめのスポットです。
話題のベーグルや雑貨
四四南村内にある「好丘(ハオチョウ)」は、台湾産の食材を使用したベーグルが評判のカフェ兼ショップです。ベーグルは全25種類あり、日替わりで10〜12種類が提供されています。
特に、愛文マンゴーや黒糖金柑など、台湾ならではのフレーバーが人気です。また、店内では台湾各地の作家によるハンドメイド雑貨や食品も販売されており、お土産選びにもぴったりです。レトロな雰囲気の中で、台湾の味とデザインを楽しむことができます。
- 施設名: 好丘(ハオチョウ/Good Cho’s)
- 住所: 台北市信義区松勤街54号(四四南村内)
- 営業時間: 月〜金曜 10:00〜21:30(食事提供時間:10:00〜14:30、17:30〜20:00)
土・日曜 9:00〜18:30(食事提供時間:9:00〜17:30) - 定休日: 毎月第1月曜日
- 電話番号: +886-2-2758-2609
- アクセス: MRT淡水信義線「台北101/世貿駅」2番出口より徒歩約5分
- 公式HP: https://www.goodchos.com.tw/
Simple Market(シンプルマーケット)
毎週日曜日の13:00〜19:00に開催される「Simple Market(シンプルマーケット)」は、四四南村の中央広場で行われる週末限定の市集(マーケット)です。
台湾のアーティストや職人によるハンドメイド雑貨、オーガニック野菜、台湾スイーツなど、多彩な商品が並びます。また、ライブ演奏やワークショップも行われ、訪れる人々にとって新たな発見や交流の場となっています。台北101から徒歩約5分とアクセスも良好で、観光の合間に立ち寄るのにもぴったりです。
- 施設名: Simple Market(シンプルマーケット)
- 住所: 台北市信義区松勤街50号(四四南村内)
- 開催時間: 毎週日曜日 13:00〜19:00
- 入場料: 無料
- アクセス: MRT淡水信義線「台北101/世貿駅」2番出口より徒歩約5分
四四南村の観光におすすめシーズン
四四南村は屋外でのんびりと過ごせるスポットが多いため、気候が安定していて過ごしやすい時期の訪問がおすすめです。台北101との写真撮影やマーケット巡りなど、屋外のイベントも快適に楽しめる春や秋は特に人気があります。一方で、観光客が少ない時期を選べば、静かに建物や展示を見て回ることができます。
ベストシーズン
四四南村の観光に最も適しているのは、3月〜5月の春と、10月〜11月の秋の時期です。この時期は気温が20〜27度前後と穏やかで、湿度も低く、外を歩くのにベストな気候です。
春には緑が豊かで花が咲き誇り、カフェのテラス席や中庭でのんびりと過ごすのにぴったりです。秋も空気が澄んでいて、台北101とのフォトスポット撮影にも適しています。観光だけでなく、週末開催のマーケットも活気があり、見どころが充実する季節です。
観光客が少ない時期
観光客が比較的少なく、ゆっくりと見学を楽しめるのは、1月中旬〜2月中旬の旧正月前後を避けた時期と、6月〜9月の夏場です。特に1月後半〜2月初旬は、台湾では気温がやや低く10〜18度程度で、人出も落ち着くため、静かな時間を楽しみたい人におすすめです。
ただし、旧正月期間中(例年1月下旬〜2月上旬)は混雑が予想されるため避けるのが無難です。夏は30度を超える日も多く蒸し暑いため、日中の散策には日傘や水分補給が欠かせませんが、その分人出が減るため穴場の時期でもあります。
四四南村の見学方法
四四南村は、入場料が無料で気軽に立ち寄れる歴史スポットです。自分のペースで散策できるほか、観光ツアーに参加することでより深い歴史的背景を学ぶこともできます。
カフェやショップも充実しており、観光の所要時間に応じた自由な楽しみ方ができます。時間に余裕をもって訪れるのがおすすめです。
入場にチケットの購入は必要なし
四四南村は敷地内全体が一般開放されており、入場料は不要です。眷村文物館(ジュエンツンウェンウーグァン)を含め、誰でも自由に見学することができます。
展示スペースやマーケット、カフェ、ショップなども無料で立ち入り可能で、気軽に立ち寄れるのが大きな魅力です。写真撮影も自由にできるため、観光客や台湾の若者にも人気のスポットとなっています。特に週末はイベントや市集が開催されることも多く、入場無料ながらも内容は非常に充実しています。
オプショナルツアーに参加
四四南村の歴史や文化を深く知りたい場合は、現地発着のオプショナルツアーに参加するのもおすすめです。台北市内を巡る市内観光ツアーの一部として立ち寄るプランや、信義エリアを専門ガイドと巡るウォーキングツアーなどがあり、所要時間は2〜3時間程度が一般的です。
日本語ガイド付きのプランもあるため、眷村の歴史や再開発の背景、台北101との関係性など、独自の視点から解説を受けることができます。個人では見落としがちな見どころにも気づける点が大きなメリットです。
四四南村観光に要する時間
四四南村の観光にかかる時間は、目的によって異なります。建物を見学しながら写真を撮る程度であれば30分〜1時間ほどで回ることができますが、カフェで休憩したり、文物館の展示をじっくり見たりする場合は1.5〜2時間程度が目安です。
さらに、日曜日の「Simple Market(シンプルマーケット)」やイベント開催日であれば、2〜3時間ほど滞在しても飽きることはありません。天気が良い日には周辺を散策するのもおすすめです。観光の前後に台北101への立ち寄りを組み合わせると、より充実したプランになります。
四四南村へのアクセス・行き方
四四南村は、台北市信義区に位置し、台北101から徒歩約5分の距離にあります。市内中心部からのアクセスも良好で、MRTやタクシーを利用すれば、観光の合間に気軽に立ち寄ることができます。以下に、主なアクセス方法をご紹介します。
電車
台北市中心部から四四南村へは、MRT(台北捷運)を利用するのが便利です。台北駅からMRT淡水信義線(レッドライン)に乗車し、「台北101/世貿駅」で下車します。
駅の2番出口を出て、徒歩約5分で四四南村に到着します。所要時間は約15分、運賃は20〜65台湾ドル(約100〜320円)程度です。MRTは運行本数が多く、時間帯を問わずスムーズに移動できるため、初めて台北を訪れる方にもおすすめです。
タクシー
タクシーを利用する場合、台北市中心部から四四南村までは約4〜6kmの距離で、所要時間は約10〜15分です。料金は100〜150台湾ドル(約500〜750円)程度となります。台湾のタクシーは初乗り1.25kmまでが85台湾ドル(約425円)で、その後は200mごとに5台湾ドル(約25円)が加算されます。
深夜(23:00〜翌6:00)は初乗り料金が105台湾ドル(約525円)となります。タクシーは24時間利用可能で、荷物が多い場合や天候が悪い日にも快適に移動できます。
台北101からのアクセス
台北101から四四南村へは、徒歩で約5分と非常に近く、アクセスが容易です。台北101の地下1階にある鼎泰豊(ディンタイフォン)やスターバックスの近くの出口から地上に出ます。
世界貿易センター方向に直進すると、MRT「台北101/世貿駅」の2番出口の向かい側に到着します。そこからは、MRTを利用する場合と同様のルートで四四南村へ向かうことができます。
四四南村の基本情報
- 住所:台北市信義区松勤街50号
- アクセス:MRT淡水信義線「台北101/世貿駅」2番出口より徒歩約5分
まとめ
四四南村は、台北101のすぐそばにありながら、かつての眷村文化や歴史を肌で感じられる貴重なスポットです。レトロな建物やおしゃれなカフェ、週末のマーケットなど、訪れるたびに新しい発見があります。
都会の喧騒を忘れて、のんびりとした時間を過ごしたい方にぴったりの場所です。台北観光の合間に、ぜひ足を運んでみてください。写真映えも抜群で、思い出に残る体験ができることでしょう。