台湾旅行の醍醐味のひとつが、夜市で味わうローカルグルメです。なかでも台北市内にある「寧夏夜市」は、観光客だけでなく現地の人々からも長年愛されている人気スポット。
屋台が並ぶ通りでは、香ばしい小吃(シャオチー)や甘いスイーツの香りが漂い、歩くだけで食欲が刺激されます。コンパクトな規模ながらも台湾らしい味と活気を存分に楽しめる、グルメ好きにぴったりの夜市です。
寧夏夜市とは

寧夏夜市(ニンシアイエスー)は、台北市大同区に位置するローカル色豊かな夜市で、長さわずか約150メートルの短い通りに、60店以上の屋台がぎゅっと集まっています。営業時間は主に17時頃から深夜1時頃までで、特に19時以降は現地の人々で大変賑わいます。
通りの両側にはテーブル席も用意されており、買った料理を座ってゆっくり楽しめるのも魅力です。B級グルメ好きならぜひ一度訪れてほしい名所です。
寧夏夜市へのアクセス

寧夏夜市は台北駅からわずか1.5kmと、市内中心部から非常にアクセスしやすい立地です。最寄りのMRTは淡水信義線(レッドライン)の「雙連駅(シュアンリェンえき)」で、1番出口から徒歩約10分。
市内観光の合間にも気軽に立ち寄ることができます。タクシーでもアクセス可能で、台北101からなら約15分、料金は約150〜200元(約750〜1,000円)程度です。夕方以降は混雑するため、少し早めの時間帯の訪問がおすすめです。
台湾版交通系ICカード「悠遊カード」
台北市内のMRTやバスを利用するなら、交通系ICカード「悠遊カード(ヨウヨウカー)」が便利です。コンビニやMRT駅構内で購入でき、価格は100元(約500円)のデポジット付きで、チャージも簡単。
MRTの運賃は通常20〜50元程度ですが、悠遊カードを使えば割引が適用され、毎回数元お得になります。また、夜市周辺のMRT駅でも利用可能なため、混雑した切符売り場に並ぶ必要がありません。交通費の節約だけでなく、スムーズな移動にも役立つ必携アイテムです。
寧夏夜市おすすめグルメ11選

寧夏夜市には、台湾らしさが詰まった絶品グルメが勢ぞろい。屋台ごとに長年の名物メニューを持ち、ローカルにも観光客にも愛されています。ここではぜひ試しておきたい11の人気店をご紹介。
味のバリエーションも豊富で、小腹を満たす軽食から甘いスイーツまで揃い、食べ歩きが楽しくなること間違いなしです。
圓環邊蚵仔煎(ユエンホワンビエンオアゼン)

寧夏夜市で常に行列が絶えない、牡蠣オムレツの有名店。台湾語で「オアジェン」と呼ばれるこの料理は、新鮮な牡蠣をタロイモ粉を使ったモチモチの生地で包み、空心菜と一緒に香ばしく焼き上げられます。
仕上げにかかる甘辛い特製ソースが絶品で、コクと旨みが一体となった味わいが特徴です。価格は1皿70元(約350円)。夜市の雰囲気を感じながら熱々を頬張れば、台湾ローカルグルメの魅力を存分に体験できます。
豬肝榮仔(ヂュウガンロンズ)

台湾の伝統的なスープ料理「豬肝湯(豚レバースープ)」の専門店として知られ、あっさりしながらも滋味深い味が人気。臭みのないやわらかなレバーに、生姜の香りがきいた透明感のあるスープがよく合います。
丁寧に処理されたレバーは口当たりが良く、体にやさしい一杯。スープ単品で約70元(約350円)。希望すればご飯や麺を追加することも可能で、現地の人も日常的に通う素朴な味に触れられる一軒です。
爆漿脆皮魷魚(バオジャンツイピーヨウユィー)

見た目のインパクトと味の濃さで人気を集める、イカの唐揚げ専門屋台です。店名の「爆漿」は“ジュワッとあふれる肉汁”の意味で、その名の通り一口噛めば、衣の中から熱々の旨みが広がります。
衣はサクサク、中のイカはモチモチとした弾力があり、スパイシーな特製ソースをかけることで一層クセになる味わいに。1串60元(約300円)と手頃な価格で、食べ歩きしやすいサイズ感も魅力。夜市らしいガッツリ系グルメとしておすすめです。
方家雞肉飯(ファンジアジーロウファン)

寧夏夜市屈指の人気を誇る老舗鶏肉飯専門店で、長年現地民に愛されてきた一軒です。蒸した鶏肉をほぐしてご飯に乗せ、にんにくの効いた醤油ダレをかけるというシンプルな構成ながら、鶏のダシがご飯に染み込み絶妙な味わいに。
鶏肉はしっとりと柔らかく、ご飯との相性も抜群です。鶏肉飯は1杯40〜50元(約200〜250円)。軽食にもぴったりで、素朴ながら奥深い台湾の味を堪能できるおすすめの一品です。
劉芋仔蛋黃芋餅(リョウユィーズダンホアンユィービン)

台湾ならではの創作スナックとして人気を集める、タロイモ餅の専門屋台。香ばしく揚げたタロイモの餅の中には、なんと塩漬け卵黄がまるごと一個入っており、ホクホクの甘い芋とコクのある塩味の絶妙なハーモニーが楽しめます。
外はカリッと中はしっとりとした食感で、一度食べたら忘れられない味。1個25元(約125円)と手軽な価格で、食後のおやつにもぴったり。甘じょっぱい味わいがクセになる、寧夏夜市の人気スイーツです。
山東赤肉蒸餃(シャンドンチーロウヂェンジャオ)

しっかりとした皮とジューシーな赤身豚肉が特徴の蒸し餃子を提供する人気屋台。山東省スタイルの餃子は皮が厚めでもちもちしており、中からは旨みたっぷりの肉汁が溢れ出します。
黒酢と生姜でいただくと、肉の旨みがさらに引き立ち、食欲をそそります。1皿6個入りで約60元(約300円)とボリュームも満点。寒い季節や夜市でちょっと温かいものが食べたくなった時にぴったりの一品です。
料理長胡椒蝦(リャオリーヂャンフージャオシア)

スパイシー好きに大人気のエビ料理専門店で、名物は「胡椒蝦(フージャオシア)」。殻付きの大ぶりエビを、黒胡椒と香辛料たっぷりの特製ソースで炒めた一品で、香ばしさと刺激的な辛さが口の中に広がります。頭から殻ごとガブリと食べるのが現地流。
外はカリッと中はプリプリで、ビールとの相性も抜群です。1パック150元前後(約750円)。ボリュームもあり、夜市の中でもガツンとパンチのある一品を食べたい時にぴったりです。
慈音古早味阿婆飯糰(ツーイングーザオウェイアーポーファントゥワン)

昔ながらの製法で作られる台湾式おにぎり「飯糰(ファントゥワン)」の名店。具材は肉鬆(豚肉そぼろ)、たくあん、揚げパン(油條)、卵焼きなどがぎっしり詰まっており、もち米のやさしい甘みと具材の塩気が絶妙にマッチします。
しっかり握られたずっしりサイズで1個約50元(約250円)。朝ごはんにぴったりのメニューですが、夜市では夕食や夜食としても大人気。台湾庶民の味を気軽に楽しめる一品です。
雅米花生捲冰淇淋(ヤーミーホアシェンジュエンビンチーリン)
台湾らしいユニークなスイーツとして人気の、アイスクリーム春巻きが楽しめるお店。薄いクレープ状の皮で、ピーナッツ飴を削った粉とさっぱりとしたタロイモアイス、パクチーを巻いた一品です。
口に入れると、ピーナッツの香ばしさとアイスのひんやり感、そしてパクチーの爽やかさが絶妙なバランスで広がります。希望すればパクチー抜きにもできます。1本40元(約200円)。見た目も可愛らしく、SNS映えする夜市スイーツです。
祥記純糖麻糬(シャンジーチュンタンマーシュウ)
台湾の伝統的な餅菓子「麻糬(マーシュウ)」を専門に扱う老舗の屋台。もち米100%で作られる麻糬は柔らかくなめらかで、香ばしいピーナッツ粉や甘さ控えめの黒ごま、きな粉などをたっぷりとまぶして提供されます。
素朴ながらも深い味わいで、お茶請けや食後のデザートにぴったり。1皿3個入りで約30元(約150円)とリーズナブル。どこか懐かしい風味が漂う、台湾らしさ満点のスイーツです。
冰霖古早味豆花(ビンリングーザオウェイドウホア)

豆腐のようななめらかな食感の「豆花(トウファ)」を提供する人気スイーツ屋台。冷たい黒糖シロップに浮かべた豆花には、ピーナッツや緑豆、タピオカなど多彩なトッピングを自由に選べます。
豆乳の自然な甘みと優しい口当たりが魅力で、暑い日のクールダウンにぴったり。温かいタイプもあり、季節を問わず楽しめます。1杯約40元(約200円)。ヘルシーで軽めのデザートを探している人におすすめです。
寧夏夜市の上手な楽しみ方

寧夏夜市を最大限に楽しむには、混雑を避けつつ、お目当てのグルメを効率よく回る工夫がポイントです。訪れる時間帯や歩き方のコツ、ルールや支払い方法を事前に知っておくことで、より快適に夜市体験ができます。初めての人でも安心して楽しめるよう、防犯やトイレ情報も含めてまとめました。
おすすめの時間帯
寧夏夜市は他の大型夜市と違って道幅が狭いため、ピーク時はかなり混雑します。おすすめの時間帯は17時〜18時半の早めの時間。
ほとんどの屋台は17時頃から営業を始め、料理も揃いはじめるため、この時間に訪れると行列に並ばずに人気メニューを楽しめます。混雑を避けつつゆっくり食べ歩きしたいならこの時間帯がベスト。逆に活気ある雰囲気を楽しみたい方は19時以降もおすすめです。
回り方のコツ
寧夏夜市は全長約150メートルとコンパクトなので、片側ずつ往復しながら歩くのが効率的です。まずは下見しながら気になる屋台をチェックし、混雑状況を見て後で戻るのが賢い方法です。人気店は事前に並び、友人同士で別れて並ぶのもおすすめ。
また、多くのメニューはシェアしやすいサイズなので、数人で少しずつ味わうことで種類豊富なグルメを楽しめます。寧夏夜市ならではのコツは「迷ったら現地の客が並んでいる屋台に行く」ことです。
ルールやマナー
寧夏夜市では屋台ごとの簡易テーブルや椅子が用意されていることがありますが、それらは基本的にその店の商品を購入した人専用です。テーブルを利用する際は、必ず該当する屋台で注文するようにしましょう。
また、通路が狭いため、立ち止まっての写真撮影やスマホの使用は他の通行人の妨げになることも。撮影はできるだけ端によるのがマナーです。店主との会話を楽しむのも夜市ならでは。笑顔で「謝謝(シエシエ)」と言えば、雰囲気もより楽しくなります。
支払い方法
寧夏夜市では、ほとんどの屋台が現金払いのみの対応となっており、小銭や100元札などの少額紙幣が非常に重宝されます。高額紙幣は断られることもあるため、訪問前に台北駅やコンビニで両替しておくのがおすすめです。
最近では一部の屋台で「悠遊カード」やモバイル決済(LINE Payなど)に対応するところも増えてきましたが、普及率はまだ限定的。万全を期すなら現金をメインに、サブで電子マネーを用意すると安心です。
お手洗いはどこにある?
寧夏夜市には屋台専用のトイレはないため、あらかじめ周辺の公衆トイレを確認しておくことが大切です。最寄りは徒歩3分ほどの場所にある「大同公園」の公衆トイレ、または雙連駅構内のMRTトイレが利用可能です。
夜市中央付近には夜市管理事務所があり、その裏側に簡易トイレも設置されていますが、混雑時には待ち時間が発生することもあります。ティッシュやウェットシートを持参すると安心して利用できます。
夜市散策での防犯対策
寧夏夜市は比較的治安の良いエリアにありますが、人混みが多いためスリや置き引きには注意が必要です。バッグは体の前に持ち、チャック付きのものを使用するのが基本。
スマートフォンや財布をテーブルの上に放置するのは避けましょう。特に写真を撮るときは荷物の置き場所に気を配ることが大切です。また、大金やパスポート原本は持ち歩かず、必要最低限の現金とパスポートのコピーを携帯するのが安心です。
まとめ
寧夏夜市は、台北市内で気軽に本格的な台湾グルメを堪能できる絶好のスポットです。屋台ごとに個性あふれる名物料理が揃い、食べ歩きをしながら台湾の食文化を肌で感じられます。
コンパクトな規模で回りやすく、初めての夜市体験にもぴったり。台湾の人とのふれあいや、調理のライブ感も旅の思い出に残ります。活気ある夜の台北を体感するなら、ぜひ一度、寧夏夜市を訪れてみてください。