台湾旅行でグルメやナイトライフを楽しみたい方にぜひ訪れてほしいのが「士林夜市(しりんよいち)」です。台湾最大級の夜市として知られるこの市場は、ローカルの雰囲気にあふれ、台湾らしい屋台グルメやショッピングが一度に楽しめる人気スポットです。
士林夜市(しりんよいち)の概要

士林夜市は台北市に位置する台湾最大級の夜市で、観光客だけでなく現地の人々からも愛されているスポットです。豊富な屋台グルメや洋服、雑貨などが軒を連ね、食べ歩きやショッピングにぴったりなエリアとして人気を集めています。夕方17時頃から深夜まで営業しており、台湾らしいナイトライフを体験できる場所としておすすめです。
士林夜市とは
士林夜市は台北市士林区にある台湾最大規模の夜市で、現地住民から観光客まで幅広く親しまれている人気スポットです。屋台グルメを中心に、ファッション、アクセサリー、ゲームコーナーなどが充実しており、一晩では回りきれないほどの広さを誇ります。
特に有名なのは、大鶏排(ダージーパイ/特大フライドチキン)、牡蠣オムレツ、臭豆腐など台湾を代表するB級グルメで、訪れるたびに異なる味と出会えるのが魅力です。地下に広がるフードコートも整備されており、雨の日でも安心して食事が楽しめます。
士林夜市の歴史
士林夜市の起源は清朝末期の1909年頃、士林慈諴宮の周辺で自然発生的に露店が集まり始めたのが始まりとされています。現地住民の生活とともに発展し、やがて観光客にも広く知られるようになりました。
1997年には老朽化により再整備が行われ、地下にフードコートを持つ近代的な形へと生まれ変わりました。以降も衛生面や安全対策が強化され、観光客が安心して訪れられる夜市として進化を続けています。今では台北を代表するナイトスポットとして、台湾文化を体験できる場となっています。
士林夜市のある台北市とは

台北市は台湾の首都であり、政治・経済・文化の中心地として機能しています。人口は約250万人(2024年時点)で、高層ビルが建ち並ぶ都市部と、歴史的建造物が残る旧市街が共存する街並みが魅力です。
交通網も整備されており、MRT(地下鉄)を使えば市内各地へ簡単にアクセス可能です。士林夜市がある士林区は、観光名所や教育施設、住宅街が混在する落ち着いた地域で、陽明山や故宮博物院などの名所も近くに位置しています。台北観光の拠点としても非常に利便性が高いエリアです。
士林夜市観光の見どころや楽しみ方とは

士林夜市では、台湾の伝統文化とグルメを一度に堪能できます。夜市の発祥地とされる歴史ある寺院「慈諴宮」から始まり、屋台が並ぶ美食区では本場のB級グルメを楽しめます。また、子どもから大人まで夢中になる夜市ゲームも多数あり、食べ歩きと遊びの両方が味わえるのが魅力です。
士林夜市発祥の寺・慈諴宮

慈諴宮(じしんぐう)は士林夜市の発祥の地とも言われ、その歴史は1796年にさかのぼります。媽祖(まそ)という航海と漁業の守り神を祀るこの廟は、地域住民の信仰の中心であり、観光客にも人気のスポットです。
現在の士林夜市は、この慈諴宮の門前町として自然発生的に広がったもので、まさに夜市の心臓部とも言えます。参拝は無料で、台湾文化や宗教に触れたい方にもおすすめです。ライトアップされた夜の慈諴宮は幻想的な雰囲気に包まれ、夜市の散策と併せて訪れるのにぴったりな場所です。
- 施設名:慈諴宮(じしんぐう)
- 住所:台北市士林區大南路84号
- 営業時間:6時00分~22時00分(年中無休)
- 入場料:無料(参拝自由)
- 電話番号:+886-2-2881-1311
- アクセス:MRT淡水信義線「劍潭駅」1番出口から徒歩約5分
台湾B級グルメの美食区
士林夜市の地下にある「美食区」は、台湾グルメを一度に楽しめる食の宝庫です。特に人気なのは、サクサクに揚がった巨大な大鶏排(ダージーパイ)、ピリ辛で香ばしい魯肉飯(ルーローファン)、独特の香りがクセになる臭豆腐など。
20〜30元(約100〜150円)程度で楽しめる屋台も多く、コスパも抜群です。地下にあるため天候に左右されず、清潔な環境でゆっくり食事ができるのも魅力。食べ歩きが苦手な方や、落ち着いて台湾料理を味わいたい方にもおすすめです。
夜市ゲーム
士林夜市では、グルメだけでなくゲーム屋台も充実しています。的あて、射的、金魚すくい、輪投げなど、日本の縁日を思わせるような懐かしい遊びが並び、1回50元(約240円)ほどで楽しめます。特にカップルや家族連れに人気で、ゲームで景品が当たるとその場が一気に盛り上がります。
台湾独自のユニークな遊びもあり、観光客にとってはちょっとした文化体験にもなります。食後の腹ごなしや、旅の思い出作りにもぴったりのアクティビティです。
士林夜市のおすすめB級グルメ
士林夜市では、台湾らしさあふれるB級グルメが豊富にそろっています。食べ歩きスタイルで楽しめる屋台が立ち並び、味もボリュームも大満足。リーズナブルな価格で、観光の合間に気軽に本場の味が堪能できるのも魅力です。ここでは特に人気の高い6品をご紹介します。
フライドチキン

台湾夜市の名物「大鶏排(ダージーパイ)」は、顔より大きいほどのサイズが特徴のフライドチキンです。外はカリッと揚がり、中はジューシーな鶏もも肉を使用。
ニンニクや五香粉などのスパイスで下味がつけられ、クセになる味わいです。1枚あたりの価格は約70元(約340円)で、ボリューム満点ながらぺろりと食べられます。士林夜市の入り口近くの有名店には行列ができることもありますが、それだけの価値がある一品です。
台湾かき氷

士林夜市では、トッピング豊富な台湾式かき氷「刨冰(バオビン)」も人気です。マンゴーやいちご、小豆、タピオカ、仙草ゼリーなどを山盛りにのせ、練乳やシロップをかけて仕上げます。
暑い台湾で食べる冷たいスイーツは格別で、特に夏場の観光中にはぜひ味わいたい一品です。価格は1杯80〜150元(約390〜730円)程度で、2〜3人でシェアしても十分なボリュームがあります。注文時に甘さも控えめに調整してくれるので日本人の口にも合います。
巨大ソーセージ・士林大香腸(シーリン ダーシャンツァン)
台湾風ソーセージ「大香腸」は、もち米入りのもちもちとしたライスソーセージで豚肉ソーセージを包んだ、まるで“台湾版ホットドッグ”のような一品です。
中のソーセージには甘辛い味付けがされており、もち米のライス部分はほんのり塩味で絶妙なバランス。1本60〜80元(約290〜390円)ほどで、小腹が空いた時にぴったりです。にんにくや高菜など好みに応じてトッピングも可能で、自分好みにアレンジできるのも楽しみのひとつです。
胡椒餅(コショウモチ)

胡椒餅は、豚肉の餡をパン生地で包み、胡麻をふって高温の窯で焼き上げた台湾の伝統的な軽食です。外側はパリッと香ばしく、内側は肉汁たっぷりのジューシーな餡が特徴。
胡椒のピリッとした刺激と肉の旨味が口いっぱいに広がります。1個あたりの価格は約50元(約240円)で、テイクアウトにもおすすめです。アツアツを頬張りながら夜市を歩くのは、台湾屋台ならではの楽しみ方です。
牡蠣オムレツ

「蚵仔煎(オアジェン)」として知られる牡蠣オムレツは、台湾夜市の定番メニューです。ぷりぷりの牡蠣とシャキシャキの青菜、卵を合わせて焼き上げ、仕上げに甘辛い特製ソースをかけて提供されます。
外はもちもち、中はふわふわの食感がたまりません。価格は1皿約70元(約340円)で、ボリュームがありながらペロリと食べられる味わいです。台湾の人もよく食べる庶民派グルメとして、台湾らしい味を楽しむにおすすめです。
タピオカドリンク

本場台湾のタピオカミルクティーは、日本で人気のドリンクとは一味違います。濃厚な紅茶と香り高いミルク、もちもちの黒糖タピオカが絶妙にマッチし、一口飲むだけでそのクオリティの高さに驚かされます。
店によって甘さや氷の量を調整でき、自分好みの味をオーダーできるのも魅力。1杯の価格は約50〜70元(約240〜340円)程度で、歩き疲れた時のリフレッシュにぴったりです。士林夜市には専門店も多く、飲み比べをするのもおすすめです。
士林夜市でグルメを食べ歩くおすすめモデルコース

士林夜市では、効率よく回ることで台湾の代表的なB級グルメを満喫できます。まずは士林慈諴宮を参拝してからスタートし、夜市の入り口近くで名物「大鶏排(ダージーパイ)」を味わいましょう。続いて地下美食区に向かい、牡蠣オムレツや魯肉飯、胡椒餅などを食べ歩きスタイルで堪能します。
お腹が落ち着いたら夜市ゲームを楽しみ、最後にタピオカドリンクや台湾かき氷でさっぱり締めくくるのがおすすめです。すべて徒歩で巡れる範囲にあるため、無理なく2〜3時間で満足できるコースです。
士林夜市を訪れるのにおすすめな時間・シーズン

士林夜市は夕方から深夜にかけて営業しており、最も賑わうのは19時〜21時頃です。食べ歩きを楽しむには夕方早めか、夜遅めの時間帯が快適です。また、気候的には10月〜12月が過ごしやすくベストシーズンとされています。雨の多い6月頃や連休中は混雑も激しいため、訪問時期をずらすとより快適に観光を楽しめます。
士林夜市の混雑状況や営業時間
士林夜市は通常17時頃から屋台が開き始め、22時〜23時頃まで営業しています。店舗によっては24時まで営業する店もありますが、ピークタイムは19時〜21時です。この時間帯は現地の学生や会社員、観光客が一斉に集まるため非常に混雑します。
混雑を避けたい方は平日の18時前後か、21時以降の訪問がおすすめです。週末や連休中は特に混み合うため、ゆったりと楽しみたい方は時間帯を工夫することで快適に夜市を満喫できます。
台北のベストシーズン
台北を訪れるベストシーズンは10月〜12月です。この時期は気温が20度前後と過ごしやすく、降水量も比較的少ないため、街歩きや夜市観光にベストです。春(3〜5月)も暖かく快適ですが、梅雨が始まる6月以降は雨が増えるため注意が必要です。
特に夏場(7〜9月)は高温多湿で日中の外出が体力的に厳しい場合もあるため、夕方以降に活動する夜市観光は秋冬シーズンが理想です。涼しい夜風の中で食べ歩きを楽しめるのも魅力のひとつです。
観光客が少ない時期
士林夜市を含む台北観光で比較的空いている時期は、旧正月明けの2月中旬〜3月上旬、または大型連休の直後(5月中旬や10月中旬)です。この時期は海外旅行客や台湾国内の観光客も少なく、ゆったりと夜市を巡ることができます。
また、平日(月〜木曜)は週末に比べて人出が少なく、人気の屋台でも並ばずに購入できることが多いです。混雑を避けてのんびり楽しみたい方には、平日のオフシーズンが狙い目です。
士林夜市観光に要する時間
士林夜市の観光にかかる時間は、約2〜3時間が目安です。グルメやお土産探しに加え、ゲームコーナーや地下フードコートも見どころが多く、時間を忘れてしまうほどです。
サクッと食事だけ楽しむ場合でも1時間程度は必要ですし、じっくり各店舗を回るなら3時間でも足りないほどの充実度があります。アクセスも台北市内からMRTで約15分と便利なので、夕食と観光を兼ねたナイトプランとして予定に組み込むのがおすすめです。
士林夜市へのアクセス・行き方

士林夜市は台北市中心部からのアクセスが良く、MRT、バス、タクシーのいずれでも約15〜30分で到着可能です。夕方から深夜にかけて営業しており、夜の観光にぴったり。B級グルメやローカルな雰囲気を楽しめることから、旅のスケジュールに組み込みやすく、観光客にも人気のスポットです。
台湾MRT
最も便利でおすすめなのが台湾MRT(地下鉄)を利用する方法です。台北駅から淡水信義線に乗り「劍潭駅」で下車し、1番出口から徒歩約5分で士林夜市に到着します。
所要時間は約15分、料金は約25元(約120円)とリーズナブル。交通渋滞の影響を受けないため、時間を正確に管理したい方におすすめです。夜市は劍潭駅の目の前に広がっており、初めての台湾旅行でも迷わずアクセスできるのも安心ポイントです。
バス
台北市内から士林夜市へは、市バスでもアクセス可能です。「士林市場」や「基河路口」などのバス停が最寄りで、MRTに比べると若干歩く距離はありますが、台北101や中山エリアなど複数の観光地から直通で行ける路線が多く、利便性が高いです。
所要時間は台北駅から約20〜30分、運賃は15元〜30元(約70〜140円)程度。景色を眺めながらのんびり移動したい方におすすめで、乗り換えが不要な場合は非常に快適です。
タクシー
タクシーを使えば、台北市中心部から士林夜市までは約20〜30分で到着します。料金は200〜300元(約970〜1,460円)程度で、グループ旅行や深夜の移動、荷物が多い場合に特に便利です。
渋滞の影響はありますが、MRTやバスの混雑を避けて快適に移動したい方にはおすすめ。言語面が不安な場合でも、行き先を「士林夜市(Shìlín Yèshì)」と漢字で示せば問題なく通じます。時間や体力を節約したい時に活用したい手段です。
士林夜市観光における注意点
士林夜市は多くの人で賑わう人気スポットですが、観光を快適に楽しむためにはいくつかの注意点があります。混雑する時間帯の防犯対策や公共交通機関の終電時刻、トイレ事情、そして持ち物の準備など、事前に知っておくと安心して夜市を満喫できます。
スリやぼったくりに注意
士林夜市は常に多くの人で混雑しており、スリなどの軽犯罪が発生することがあります。財布やスマートフォンは前ポケットやファスナー付きのバッグに入れ、リュックは前抱きするなどの対策をしましょう。
また、一部の屋台では価格表示がされていないこともあり、外国人観光客に高めの料金を提示される場合もあります。事前に相場を把握しておくこと、なるべく価格表示のある店を選ぶことが安心につながります。人混みでは周囲に注意を払い、必要以上の現金を持ち歩かないようにするのも大切です。
お手洗いは事前に済ませる
士林夜市周辺には公衆トイレの数が少なく、特に混雑時には長蛇の列ができることがあります。また、衛生面でも日本ほど整備されていないことがあるため、食事や買い物に集中したい場合は、MRT駅やショッピングモール、ホテルなどで事前にトイレを済ませておくのがベストです。
MRT劍潭駅の構内には比較的清潔なトイレが設置されているので、到着時に利用しておくと安心です。特に子ども連れや高齢者と一緒の場合は、事前準備が快適な観光のカギとなります。
終電時間に注意
士林夜市の最寄り駅であるMRT劍潭駅は便利な立地ですが、終電時間を過ぎると市内に戻る交通手段が限られてしまいます。淡水信義線の終電は方面にもよりますが、台北駅方面行きで23時50分頃が目安です。
夜市は23時以降も営業している店舗がありますが、ギリギリまで滞在すると帰れなくなるリスクもあるため、帰路の時間はあらかじめ確認しておきましょう。混雑を避けるためにも、21時〜22時頃に夜市を出るのが理想的です。
士林夜市観光の持ち物
士林夜市を快適に楽しむためには、持ち物の準備も重要です。現金は少額紙幣(100元以下)を中心に用意し、クレジットカードはあまり使えないため注意が必要です。食べ歩き用にウェットティッシュや紙ナプキン、ゴミ袋を持参すると便利です。
また、突然の雨に備えて折りたたみ傘やレインコートもあると安心。気温が高い日には、飲み物やハンカチ、扇子などの暑さ対策グッズも役立ちます。両手が空くショルダーバッグやリュックを選び、貴重品管理には十分気をつけましょう。
まとめ
士林夜市は台湾らしい活気と文化を体感できる、台北観光のハイライトとも言えるスポットです。アクセスも良好で、夜市グルメやローカルな雰囲気、ゲーム屋台まで楽しめる内容の濃さが魅力です。
初めて台湾を訪れる方からリピーターまで、誰もが満足できるナイトマーケットであり、台北滞在中に一度は足を運ぶ価値があります。美味しい料理と人情味あふれる雰囲気を、ぜひ現地で味わってみてください。