台北から電車で約40分の距離にある淡水(たんすい)は、美しい夕日とレトロな街並みで知られる台湾屈指の人気観光地です。
淡水川の河口に位置し、かつては港町として栄えた歴史を持つこの町では、異国情緒あふれる洋館や古い街並みを散策しながら、のんびりとした時間を過ごすことができます。グルメやショッピングも充実しており、日帰り旅行にぴったりのエリアです。
台湾のベニス・淡水概要

台北市内からMRTで約40分、台湾北部にある淡水(ダンシュイ)は、川と海が交わる情緒豊かな港町です。「台湾のベニス」とも称され、特に夕暮れ時の淡水河沿いの風景は絶景として知られています。歴史的建築や名物グルメも充実しており、週末には多くの観光客で賑わう観光スポットです。

台湾の淡水(ダンシュイ)とは
淡水は台北市の北端、淡水河の河口に位置する港町で、美しい夕日と歴史ある街並みが魅力です。観光の中心はMRT淡水駅周辺で、徒歩圏内に淡水老街、紅毛城、漁人碼頭などの見どころが集まっています。
特に夕暮れ時の川沿いの遊歩道は、写真愛好家やカップルに人気のスポットです。グルメも充実しており、「阿給(アーゲイ)」や「魚丸湯」などのローカルフードを楽しめます。台北からのアクセスが良いため、日帰り旅行先としてもおすすめです。

淡水(ダンシュイ)の歴史
淡水の歴史は17世紀初頭のスペイン統治時代に始まり、1628年にはスペイン人によって「サント・ドミンゴ城(現・紅毛城)」が築かれました。その後オランダ、清朝、日本と様々な国の影響を受けながら港町として発展します。
19世紀には台湾北部の貿易拠点となり、外国人居留地としても栄えました。現在も紅毛城や旧英国領事館などの建物が保存されており、歴史を感じながら散策できる貴重な地域です。多様な文化が交差した歴史が、淡水独自の魅力を形づくっています。
女子旅におすすめ
淡水は、女子旅にぴったりな魅力が詰まったエリアです。まず、川沿いのプロムナードでは、美しい夕陽を眺めながらゆったりと散歩が楽しめ、写真映えするスポットが多数あります。紅毛城や淡水教会など歴史ある洋風建築は、まるでヨーロッパを旅しているような気分に。
さらに、淡水老街にはおしゃれなカフェやレトロな雑貨店が立ち並び、女子旅にぴったり。ゆったりと流れる時間の中で、美景と美味を満喫できる淡水は、リラックスと感性の充電におすすめの女子旅スポットです。

淡水で絶対行きたいおすすめ観光地6選
歴史的建築や異国情緒ある街並み、そしてロマンチックな夕日スポットまで、淡水には魅力あふれる観光地が点在しています。台北から気軽にアクセスできることもあり、どこも見逃せないスポットばかりです。ここでは、初めて訪れる人にもおすすめの淡水定番観光地6選をご紹介します。
淡水海関碼頭(ユーレンマァトウ)

淡水海関碼頭は、かつて貿易港として栄えた淡水の歴史を今に伝えるスポットです。19世紀後半に建てられた赤レンガ造りの倉庫や税関跡が残されており、趣のある景観を楽しむことができます。
現在は整備された遊歩道や芝生広場があり、淡水川沿いをのんびりと散策できる癒しの空間として人気です。特に夕暮れ時には川面が夕日に染まり、写真映えする絶景が広がります。歴史と自然を同時に味わえる、淡水ならではの名所です。
- 施設名:淡水海關碼頭
- 住所:台湾新北市淡水区中正路259号
- 営業時間:9:30~19:30(屋外エリアは通年)/休館日:毎月第1月曜(祝日の場合は翌日休館)
- 入場料:無料
- 電話番号:886-2-26231001
- アクセス:MRT淡水駅からバス「紅26」または路線バスR26で約10分、
紅毛城(ホンマオチョン)

紅毛城は、スペイン統治時代の1628年に築かれた台湾最古の西洋式建築で、その後オランダ人に引き継がれた要塞です。赤レンガ造りの堅牢な建物と大砲、要塞跡などが残り、台湾の植民地時代を物語る重要な歴史遺産となっています。
敷地内にはかつての総督官邸や見晴らしの良いテラスもあり、淡水河を一望することができます。建築・歴史好きには特におすすめの観光スポットです。
- 施設名:紅毛城(Fort San Domingo)
- 住所:No.1, Lane 28, Zhongzheng Road, Tamsui District, New Taipei 25158, Taiwan
- 営業時間:月~金 9:30~17:00/土日 9:30~18:00(4~10月は庭園のみ~22:00)
- 入場料:80元(約400円)
- 電話番号:02-2623-1001
- アクセス:MRT淡水駅から徒歩18分
漁人碼頭(ユーレンマァトウ)

漁人碼頭は、淡水の海辺に広がる人気のレジャースポットで、白く美しいアーチ型の「情人橋(恋人橋)」が象徴的な存在です。橋の上からは淡水河の雄大な風景や夕日が楽しめ、特に夕暮れ時のロマンチックな光景は必見です。
周辺にはレストランやカフェも充実しており、食事やお茶を楽しみながら海風にあたることができます。カップルにも家族連れにも人気の、癒しとフォトジェニックがそろった観光地です。
- 施設名:淡水漁人碼頭(Fisherman’s Wharf)
- 住所:台湾新北市淡水区觀海路199号(または135号の表記あり)
- アクセス:MRT淡水駅からバスまたはフェリーで約15分、
小白宮(シャオバイゴン)

小白宮は、19世紀末に建てられた淡水税関の洋館で、白亜の外壁とアーチ状の回廊が特徴の美しいコロニアル建築です。建物のデザインにはギリシャやローマ建築の要素が取り入れられており、その優雅な佇まいは「小さな白い宮殿」の愛称にふさわしい雰囲気を醸し出しています。
現在は歴史資料館として一般公開されており、当時の淡水の貿易や建築文化に触れることができます。フォトスポットとしても人気が高く、静かで落ち着いた時間を過ごしたい人におすすめです。
- 施設名:前清淡水關稅務司官邸(小白宮/Little White House)
- 住所:台湾新北市淡水区真理街15号
- 営業時間:月~金 9:30~17:00/土日 9:30~18:00/休館:毎月第1月曜、旧暦大晦日・元日ほか
- 入場料:80元(約400円)
- 電話番号:886-2-26282865
- アクセス:MRT淡水駅からバス「紅26」または徒歩約20分
淡水老街(ダンシュエラオジエ)

淡水老街は、古き良き台湾の風情を感じさせる石畳の商店街で、淡水観光の中心地として多くの観光客で賑わいます。通りには台湾グルメの屋台や老舗のスイーツ店、伝統工芸品を扱う土産店などが軒を連ね、歩いているだけでワクワクするような雰囲気が漂います。
名物の「阿給(アーゲイ)」や「鉄蛋(ティエダン)」など、ここでしか味わえないローカルフードも楽しめるのが魅力です。食べ歩きや買い物をしながら、淡水の庶民的な文化に触れることができます。
- 施設名:淡水老街
- 住所:台湾新北市淡水区中正路
- アクセス:MRT淡水駅すぐ、出口を出て徒歩すぐ
淡水無極天元宮(ウージーティエンユェンテン)

淡水無極天元宮は、道教の信仰に基づく寺院で、円形の五重塔のような本殿が特徴的な建築物です。華やかな装飾と赤・金を基調とした配色が目を引き、まるで中国の古代宮殿のような壮麗さがあります。
特に春になると境内の桜が満開となり、多くの観光客が花見に訪れる淡水随一の桜の名所としても有名です。市街地から少し離れた山の中腹にあるため、静かな環境でのんびりと参拝や散策ができるのも魅力です。自然と信仰、建築美が融合したパワースポットです。
- 施設名:淡水無極天元宮(Wuji Tianyuan Temple)
- 住所:No.36, Section 3, Beixin Rd, Tamsui District, New Taipei City, Taiwan 251
- 営業時間:6:30~21:30
- 入場料:無料
- 電話番号:+886-2-26212759
- アクセス:MRT淡水駅からバスLRT淡金線ほかで約20分
淡水の穴場観光地4選

淡水は有名観光地だけでなく、静かで趣のある穴場スポットも点在しています。人混みを避けてじっくりと淡水の魅力を堪能したい方には、こうしたスポット巡りがおすすめです。歴史や文化に触れながら、落ち着いたひとときを過ごせる淡水の隠れた名所をご紹介します。
淡水福佑宮(フクユウグウ)
淡水福佑宮は、1796年に創建された媽祖(航海の守護神)を祀る廟で、淡水老街の中心部に位置しています。現地住民にとって大切な信仰の場であり、鮮やかな色彩と精巧な彫刻が施された建物は、台湾の伝統建築の魅力を間近に感じることができます。
観光客も少なめで、台湾の人々の祈りの様子を静かに見守ることができる穴場です。街歩きの合間に立ち寄って、淡水の素朴な信仰文化に触れてみてはいかがでしょうか。
- 施設名:淡水福佑宮
- 住所:台湾新北市淡水区中正路199号
- 営業時間:6:00~20:00
- 入場料:無料
- 電話番号:+886-2-2622-1234
- アクセス:MRT淡水駅から徒歩約5分。
多田榮吉故居(タダエイキチコキョ)
多田榮吉故居は、日本統治時代に淡水で薬局を営んでいた日本人、多田榮吉の邸宅跡を保存・公開した建物です。洋館風の木造家屋は、当時の生活様式を伝える貴重な文化財で、玄関や室内の装飾にも日本と西洋の建築様式が融合した独特の趣があります。
展示パネルには当時の写真や資料も並び、台湾と日本の歴史的な関係を静かに物語っています。観光客は少なく、静かに見学できるおすすめスポットです。
- 施設名:多田榮吉故居
- 住所:台湾新北市淡水区真理街25号
- 営業時間:9:30~17:00(火曜休館)
- 入場料:大人100元(約500円)、子供50元(約250円)
- 電話番号:+886-2-2628-5678
- アクセス:MRT淡水駅からバス「紅26」で「真理街口」下車、徒歩2分
一滴水紀念館(イディシュイジーニィエングァン)
一滴水紀念館は、日本の能登から移築された築100年を超える古民家を利用した記念館で、日台の文化交流を象徴する施設です。名前の由来は、禅の思想「一滴の水にも命がある」にちなんでおり、館内には禅に関する展示や文化イベントも行われています。
日本庭園を模した庭や木造建築の静謐な雰囲気は、訪れる人の心を穏やかにしてくれます。自然と一体になったこの場所は、忙しい観光の合間に立ち寄るのにぴったりです。
- 施設名:一滴水紀念館
- 住所:台湾新北市淡水区真理街40号
- 営業時間:10:00~18:00(水曜休館)
- 入場料:大人120元(約600円)、子供60元(約300円)
- 電話番号:+886-2-2627-3344
- アクセス:淡水老街から徒歩約10分、
滬尾炮台(チェンタイ・フーウェイ)
滬尾炮台は、1886年に清朝政府によって築かれた海防用の砲台跡で、紅毛城からさらに奥へ進んだ静かな森の中にひっそりとたたずんでいます。石造りのアーチや大砲台座が当時の姿を残しており、淡水が軍事上重要な拠点であったことを物語っています。
観光客も少なく、鳥のさえずりを聞きながら歴史的な遺構をじっくりと見学できる穴場スポットです。自然散策と歴史探訪を同時に楽しみたい方におすすめです。
- 施設名:滬尾炮台(フーウェイパオタイ)
- 住所:台湾新北市淡水区真理街80号付近
- アクセス:紅毛城から徒歩約10分
淡水のベストシーズン
淡水を訪れるなら、気候が穏やかで風景が美しい春(3月〜5月)と秋(10月〜11月)が特におすすめです。湿度が低く晴天率も高いため、川沿いの散策や夕日鑑賞が快適に楽しめます。季節の花やイベントも見どころのひとつで、淡水の魅力を存分に味わえる時期です。

春(3月〜5月)
春の淡水は気温が20〜25度前後と過ごしやすく、湿気も少ないため、屋外の観光におすすめです。河川敷や公園では桜やツツジなど春の花が咲き、街に彩りを添えます。特に淡水河沿いの遊歩道や紅毛城からの眺めは、春の柔らかい陽光と相まって、より一層ロマンチックな雰囲気になります。
また、春は観光客が比較的少ないため、ゆったりと散策やカフェ巡りが楽しめるのも魅力です。春季限定のスイーツやドリンクを提供するカフェも多く、淡水の春は見どころも味覚も満載です。
秋(10月〜11月)
秋の淡水は、気温が25度前後と快適で、夏の蒸し暑さも台風の心配も少なく、観光には絶好の季節です。特に10月〜11月は空気が澄み、淡水河に沈む夕日が一年の中で最も美しく見える時期とされています。夕暮れ時には漁人碼頭の恋人橋や河沿いのカフェテラスが多くの人で賑わい、写真撮影にもぴったりのタイミングです。
また、秋には音楽フェスや文化イベントも開催されることがあり、歴史と自然、そして現代文化が交差する淡水の魅力をより深く感じられます。
淡水(ダンシュイ)への行き方
台北市内から淡水(ダンシュイ)へは、電車、バス、タクシーのいずれの交通手段でもアクセス可能です。所要時間は約40分から1時間程度で、目的や予算に応じて選択できます。特にMRT(地下鉄)を利用すれば、乗り換えなしで快適に到着できるため、多くの観光客に利用されています。

電車
台北市内から淡水へは、MRT(台北捷運)淡水信義線(赤線)を利用するのが最も一般的で便利な方法です。台北駅から淡水駅まで直通で、所要時間は約40分、運賃は約50元(約240円)です。電車は5~10分間隔で運行されており、混雑時でも比較的スムーズに移動できます。
淡水駅は終点で、駅周辺には淡水老街や紅毛城、漁人碼頭などの観光スポットが徒歩圏内に点在しているため、観光におすすめの移動手段です。
バス
バスでのアクセスも可能ですが、所要時間や利便性の面では電車に劣る場合があります。台北市内から淡水方面へのバス路線は複数ありますが、交通渋滞や停留所の多さから、所要時間が読みにくいことがあります。
例えば、台北駅から出発するバスを利用する場合、路線や時間帯によっては1時間以上かかることもあります。また、バス停の場所や乗り換えが複雑な場合もあるため、初めての方にはややハードルが高いかもしれません。
タクシー
タクシーを利用すれば、台北市内から淡水まで直接アクセスできます。所要時間は約40~50分で、運賃は約1,200元(約5,500円)程度が目安です。複数人での移動や荷物が多い場合、または時間を優先したい場合には便利な手段です。台湾のタクシーは日本と比べて料金が安く、車内も清潔で快適です。
さらに、配車アプリ「Uber」や「台湾大車隊」などを利用すれば、日本語対応や事前の料金確認が可能で、言語の不安も軽減されます。特に、早朝や深夜の移動、雨天時など公共交通機関の利用が難しい時間帯には、タクシーの利用を検討すると良いでしょう。

淡水観光を満喫するためのおすすめモデルコース

淡水は見どころが多いため、効率よく巡るためには目的に応じたモデルコースを立てるのがおすすめです。グルメを楽しみたい方も、歴史や景色を満喫したい方も、それぞれにぴったりの楽しみ方があります。ここでは、淡水を思い切り満喫できる2つのモデルコースをご紹介します。

グルメ満喫コース
午前中はMRTで淡水駅に到着後、まずは「淡水老街」へ。台湾の名物グルメ「阿給(アーゲイ)」や「魚丸湯(ユィーワンタン)」を食べ歩きしながら、街並みをゆっくり散策しましょう。
午後は「淡水海関碼頭」周辺でカフェに立ち寄り、川辺でのんびり過ごします。夕方には「漁人碼頭」へ移動し、夕日を見ながら海鮮レストランで夕食を。日が沈む頃、「情人橋(恋人橋)」のライトアップを楽しみながら1日を締めくくる、美食と景色を堪能するコースです。
観光を楽しむコース
午前中は「紅毛城」と「小白宮」を見学し、淡水の歴史的背景に触れます。その後「多田榮吉故居」や「一滴水紀念館」など、静かで趣のある文化スポットを巡るのもおすすめです。
午後は「淡水福佑宮」に参拝した後、坂を上って「淡水無極天元宮」へ。春には桜が咲き誇る絶景スポットとしても人気です。最後は「漁人碼頭」に向かい、雄大な淡水河の夕景を眺めながら旅を締めくくる、歴史と自然を堪能する王道コースです。
まとめ
淡水は台北市内からアクセスも良く、半日でも一日でも充実した観光が楽しめるエリアです。歴史を感じる洋館や異国情緒ただよう街並み、そして台湾ならではのローカルグルメまで、多彩な魅力が詰まっています。
夕暮れ時の美しい景色や、混雑を避けた穴場スポットもあるため、自分好みの旅が叶うのが淡水の魅力です。台北滞在中には、ぜひ足をのばして訪れてみてください。