台湾・台北の若者文化の発信地として知られる「西門町(せいもんちょう)」は、トレンドに敏感な旅行者にぴったりのスポットです。ショッピングやグルメ、ストリートアートから台湾映画文化まで、多彩な魅力が詰まったエリアで、歩くだけでも楽しめる活気ある雰囲気が広がっています。台北旅行の際には、ぜひ立ち寄りたいエリアの一つです。
西門町(せいもんちょう)概要

西門町は、台北市萬華区にある人気の繁華街で、日本の「渋谷」にも例えられる若者カルチャーの中心地です。ファッション、グルメ、エンタメが集まり、1日あたり約10万人の来訪者を記録することもあります。台湾映画の聖地としても知られ、伝統とモダンが融合するユニークな魅力を放っています。
西門町とは
西門町は、台北を代表する流行発信地であり、若者に人気の高いショッピングエリアです。韓国ファッション、台湾ブランド、ストリート系アイテムを扱うショップが軒を連ね、台湾コスメや雑貨も豊富にそろいます。
グルメ面でも「阿宗麺線」や「天津葱抓餅」など、食べ歩きにぴったりな名物が豊富です。西門駅6番出口からすぐという立地も魅力で、初めての台北旅行でも安心して訪れられるエリアです。
西門町の歴史
西門町は、日本統治時代の1920年代に「映画の街」として発展しました。当時は台北城の西側にあり、「西門外」と呼ばれていたことから地名が付きました。日本統治下で建設された「西門紅樓」は1908年に完成し、赤レンガの建築が今も美しく残っています。
戦後も台北屈指の繁華街として進化を続け、近年ではLGBTQフレンドリーなスポットとしても注目を集めています。伝統を大切にしつつ、常に新しい文化を受け入れてきた街なのです。
西門町のある台北市とは
台北市は、古き良き台湾文化と最先端の都市機能が共存するダイナミックな観光都市です。MRTやバスなど公共交通機関が発達しており、観光スポットを効率よく巡ることができます。西門町がある萬華区は、若者文化の発信地として知られ、ファッション、グルメ、エンタメが凝縮されたエリアです。
台北の「原宿」とも呼ばれ、夜遅くまで多くの人でにぎわいを見せます。ストリートパフォーマンスやポップアップショップも豊富で、訪れるたびに新しい発見があります。徒歩圏内には龍山寺や艋舺夜市などもあり、伝統と現代の融合が楽しめるのも魅力です。

西門町観光のポイント

西門町は、買い物やグルメだけでなく、文化や歴史に触れられる観光スポットも充実しています。特に「西門紅楼(せいもんこうろう)」や「レインボーロード」などは、フォトスポットとしても人気が高く、西門町を訪れるなら見逃せない名所です。異なる魅力をもつ2つの場所を巡ることで、西門町の多面的な魅力を体感できます
西門紅楼(せいもんこうろう)

西門紅楼は1908年に日本統治時代の市場兼劇場として建設された、台湾で最も歴史あるレンガ建築の一つです。八角形の独特な構造を持つこの建物は、赤レンガとレトロな窓枠が美しく調和し、写真映えスポットとしても人気です。
現在はリノベーションされ、アートギャラリーやカフェ、クリエイターの雑貨ショップが入居しており、観光とショッピングを同時に楽しめます。文化イベントも多く開催されており、西門町の文化的な一面を感じたい方にぴったりの場所です。
- 施設名:西門紅樓(The Red House)
- 住所:台北市萬華區成都路10號
- アクセス:MRT板南線または松山新店線「西門駅」1番出口から徒歩約1分
レインボーロード

レインボーロードは、西門紅楼の裏手にあるカラフルな路地で、LGBTQ+文化を象徴するスポットとして知られています。地面には虹色のペイントが施され、周囲にはレインボーフラッグを掲げたカフェやバーが立ち並びます。
週末には多くの若者や観光客が集い、自由でフレンドリーな雰囲気を楽しんでいます。台湾がアジア初の同性婚合法化を実現した国であることもあり、この場所は多様性を尊重する台湾社会を象徴する空間となっています。
- 施設名:レインボーロード(6號彩虹)
- 住所:台北市萬華區漢中街(MRT西門駅6番出口付近)
- アクセス:MRT板南線または松山新店線「西門駅」6番出口を出てすぐ
西門町のグルメスポット5選
西門町は、台北を代表する若者の街として知られるだけでなく、グルメの宝庫としても人気の高いエリアです。屋台グルメから老舗の名店まで、台湾のソウルフードをリーズナブルに味わえるのが魅力です。ここでは、特におすすめのグルメスポットを厳選してご紹介します。

天天利美食坊(てんてんりびしょくぼう)

天天利美食坊は、西門町で長年親しまれている台湾家庭料理の名店です。看板メニューは「魯肉飯(ルーローファン)」で、甘辛く煮込まれた豚そぼろと半熟目玉焼きが絶妙にマッチする「魯肉飯加蛋(小)」が50元(約230円)と非常にリーズナブルです。
その他、「蚵仔煎(牡蠣オムレツ)」や「香菇肉羹(椎茸入りとろみスープ)」など、台湾らしいメニューが豊富にそろい、朝から夜まで現地の人々で賑わっています。食堂のような気軽な雰囲気も魅力のひとつです。
- 住所:台北市萬華區漢中街32巷1號
- アクセス:MRT西門駅6番出口から徒歩約4分
- 営業時間:11:00〜22:30
- 定休日:月曜日
阿宗麺線(あーぞんめんせん)

阿宗麺線は、台湾のローカルフード「麺線(ミェンシェン)」の専門店として観光客からも絶大な人気を誇ります。とろみのあるスープに、細いそうめんのような麺、モツやパクチーが入った熱々の一杯は、小碗が65元(約300円)、大碗が85元(約390円)という手頃な価格で提供されています。
店頭で立ち食いするスタイルがローカルらしく、回転が早いため行列でもすぐに食べられるのが魅力。短時間で台湾の味を楽しみたい方には特におすすめです。
- 住所:台北市萬華區峨眉街8之1號
- アクセス:MRT西門駅から徒歩約2分
- 営業時間:月〜木 10:30〜22:30、金〜日 10:30〜23:00
梁山泊小籠湯包(りょうざんぱくしょうろんたんぱお)

梁山泊小籠湯包は、西門町の路地裏にある現地密着型の小籠包専門店です。手作りの小籠包は、皮が薄くてもちもち、ひとくち頬張れば中から熱々の肉汁があふれ出す本格派。
看板メニューの「小籠湯包」は7個入りで110元(約500円)と、手ごろな価格で楽しめます。店内はカジュアルで気取らず入れる雰囲気で、酸辣湯や青菜などの一品料理もあり、バランスの良い食事をしたいときにもぴったりです。混雑する時間帯を避ければ、ゆっくりと名物の味を堪能できます。
- 住所:台北市萬華區漢口街二段54-4號
- アクセス:MRT西門駅から徒歩約6分
- 営業時間:10:00〜15:00、17:00〜21:00(売り切れ次第終了)
- 定休日:月曜・火曜
東一排骨總店(とういちはいこつそうてん)

東一排骨總店は、1970年代から続く老舗の定食屋で、名物は台湾風とんかつ「排骨飯」です。ジューシーな豚肉にスパイスを効かせた衣をまとわせ、カラッと揚げた排骨(パイグー)は香ばしく、ご飯や小鉢と一緒に楽しめるセットで提供されます。
人気の「排骨飯セット」は180元(約800円)ほどで、ボリュームも満点。店内はレトロな内装で、どこか懐かしさを感じる落ち着いた空間です。がっつり食べたいときにおすすめの一軒です。
- 住所:台北市中正區延平南路61號2F
- アクセス:MRT西門駅から徒歩約3分
- 営業時間:10:00〜20:00
- 定休日:なし
牛店精燉牛肉麵(ぎゅうてんせいとんぎゅうにくめん)

牛店精燉牛肉麵は、西門町で牛肉麺を味わうなら外せない名店の一つです。スープは澄んだあっさり系で、長時間煮込んだ牛すじ肉と厚切り牛肉がトッピングされ、柔らかくジューシーな食感が魅力。
中太のストレート麺がスープとよく絡み、一杯で満足感を得られます。代表メニューの「精燉牛肉麵」は小サイズで180元(約700円)。化学調味料を使わない自然な味わいで、あっさり好みの方にもおすすめです。旅行中の疲れた胃にもやさしい一杯です。
- 住所:台北市萬華區昆明街91號
- アクセス:MRT西門駅1番出口から徒歩約5分
- 営業時間:火〜日 11:30〜14:00、16:30〜20:30
- 定休日:月曜日
西門町のスイーツスポット3選
西門町はグルメやショッピングの街として有名ですが、スイーツ好きにはたまらない甘味処も数多くあります。台湾伝統の冷たいデザートから、インスタ映え間違いなしのトレンド系カフェまで、多彩なスイーツを楽しめるのもこの街の魅力です。
永富冰淇淋(えいふうアイスクリーム)

永富冰淇淋は1945年創業の老舗アイスクリーム店で、昔ながらの手作り製法にこだわる素朴な味わいが魅力です。フレーバーはタロイモ、ピーナッツ、ライチ、サトウキビなど台湾ならではの素材を使ったものが中心で、1スクープ40元(約190円)から楽しめます。
派手さはありませんが、どこか懐かしさを感じる味で、現地の人々にも長く愛されています。暑い日の散策の合間に立ち寄るのにぴったりの一軒です。
- 住所:台北市萬華區貴陽街二段68號
- アクセス:MRT西門駅1番出口から徒歩約10分
- 営業時間:日〜木曜 10:00〜22:00、金・土曜 10:00〜23:00
本願豆花店西門(ほんがんとうふぁてん)

本願豆花店は、台湾の伝統的スイーツ「豆花(トウファ)」の専門店で、健康志向の方にもおすすめの一軒です。滑らかな豆乳プリンのような豆花に、ピーナッツ、小豆、白玉などを自由にトッピングでき、自分好みの組み合わせが楽しめます。
おすすめは3種トッピングの「綜合豆花」で、価格は60元(約280円)ほど。甘すぎず、豆乳の優しい風味が口に広がり、観光の合間の小休憩にもおすすめです。
- 住所:台北市萬華區西寧南路265號
- アクセス:MRT西門駅1番出口から徒歩約5分
- 営業時間:12:30〜21:00
楊記花生玉米冰(ようき かせんぎょくべいひょう)

楊記花生玉米冰は、西門町のローカル感あふれるかき氷専門店です。看板メニューの「花生玉米冰」は、たっぷりの氷の上に甘く煮たピーナッツとコーンをのせた、ユニークでクセになる味わいの一杯。
塩気と甘さのバランスが絶妙で、一度食べるとやみつきになると評判です。価格はおよそ70元(約320円)とリーズナブルで、暑い季節のクールダウンにぴったり。台湾の人に混じって食べるローカル体験も楽しめます。
- 住所:台北市萬華區漢口街二段38號
- アクセス:MRT西門駅6番出口から徒歩約5分
- 営業時間:11:00〜22:00
西門町のショッピングスポット2選
西門町はファッションやグルメだけでなく、買い物スポットも充実しているエリアです。台湾限定の商品やお土産、日用品まで幅広くそろう店舗が点在しており、観光ついでにショッピングも楽しめます。今回は、特に旅行者におすすめの便利で魅力的なショッピングスポットを2つご紹介します。
聖瑪莉西門1店(セントメアリー)
聖瑪莉西門1店は、台湾各地に展開する人気ベーカリーチェーン「聖瑪莉(セントメアリー)」の西門町店舗です。定番のパイナップルケーキやタロイモケーキをはじめ、パンやクッキー、焼き菓子など幅広い商品が並びます。
中でも「太陽餅」や「老婆餅」はお土産として高い人気を誇り、パッケージも上品で贈答用にもぴったり。価格帯は1箱150〜300元(約700〜1,400円)程度で、試食ができる商品もあるため、納得して選べるのも魅力です。
- 住所:台北市萬華區成都路54之1號
- アクセス:MRT西門駅1番出口から徒歩約3分
- 営業時間:金〜月曜 11:00〜21:30、火〜木曜 12:00〜21:30
家楽福(カルフール)桂林店
家楽福桂林店は、西門町から徒歩10分ほどの場所にある大型スーパーマーケットで、観光客にも便利な買い物スポットです。台湾のお菓子、調味料、カップ麺、ビールなど、バラマキ用のお土産が手ごろな価格で手に入ります。
24時間営業なので、観光の合間や夜の時間を有効活用して立ち寄ることもできます。商品は日本語の表示がない場合もありますが、パッケージで選べる手軽さもあり、台湾の日常を感じながら買い物を楽しめる点が魅力です。
- 住所:台北市萬華區桂林路1號
- アクセス:MRT西門駅1番出口から徒歩約5分
- 営業時間:24時間営業
西門町エリアのホテル3選

西門町は観光、グルメ、ショッピングがすべて徒歩圏内で楽しめる便利なエリアです。滞在先も多彩で、アクセス抜群の立地と快適な設備を備えたホテルがそろっています。ここでは、日本人旅行者にも特に人気のあるおすすめホテル3軒をご紹介します。
ソラリア西鉄ホテル台北西門
ソラリア西鉄ホテル台北西門は、日系ブランドが手がけるホテルで、日本人旅行者にとって安心感のある宿泊先です。MRT西門駅から徒歩約4分の好立地にあり、観光の拠点としておすすめです。
館内は落ち着いたモダンなデザインで統一され、全室に洗浄機能付きトイレを完備。朝食ビュッフェでは和洋中の料理が楽しめ、長期滞在にも対応するランドリー設備もあります。1泊あたりの料金は平日でおおよそ3,900元(約19,000円)前後です。
ウエストゲートホテル
ウエストゲートホテルは、MRT西門駅から徒歩わずか1分の場所に位置し、アクセスの良さが最大の魅力です。スタイリッシュな内装と充実した設備が特徴で、無料Wi-Fi、ミニバー、電気ポットなどが完備されています。
館内にはフィットネスルームやビジネスラウンジもあり、観光にも出張にも対応可能。スタンダードルームの宿泊料金は約8,700円からと手ごろで、コストパフォーマンスに優れたホテルです。
COMMA Boutique Hotel
COMMA Boutique Hotelは、シンプルで洗練された空間が魅力のブティックホテルです。MRT西門駅から徒歩約7分の距離にあり、繁華街の中心にいながらも落ち着いた滞在が叶います。
全室に無料Wi-Fi、エアコン、薄型テレビを完備し、一部客室にはバスタブやテラスもあり、くつろぎの時間を演出します。宿泊料金はスタンダードタイプで約12,000円からと、利便性と快適さを兼ね備えたバランスの良いホテルです。
西門町のおすすめシーズン
西門町は年間を通じてにぎわいのある観光地ですが、気候や混雑具合によって快適さは変わります。ショッピングやグルメ、街歩きを満喫するには、気温や天候、観光客の数を考慮して訪問時期を選ぶのがポイントです。ここでは、訪れるのにベストな時期と、ゆったり楽しみたい方向けの時期をご紹介します。
ベストシーズン
西門町を訪れるベストシーズンは、3月〜5月の春と、10月〜11月の秋です。この時期は気温が20〜25度前後と穏やかで、湿度も比較的低く、街歩きや屋台めぐりにベストな季節です。
とくに春には新作ファッションや季節限定グルメも登場し、流行の最前線を楽しめます。秋は台風シーズンを過ぎ、天候が安定するため、イベントや野外活動がしやすいのも魅力です。

観光客が少ない時期
観光客が少なく、西門町をゆったり楽しみたいなら、1月〜2月の旧正月以外の時期がおすすめです。この時期は台湾全体がオフシーズンにあたるため、ホテルや航空券の価格も比較的安く抑えられます。
気温は15〜20度ほどで、寒すぎず散策には問題ありません。また、平日の昼間は人通りも少なめで、人気のグルメ店や観光スポットも行列を避けやすいのがメリットです。混雑を避け、のんびりと街を歩きたい方にとって理想的なシーズンです。
西門町へのアクセス・行き方
西門町は台北市の中心部に位置し、交通の利便性が非常に高いエリアです。電車(MRT)、タクシー、バスなどさまざまな交通手段で簡単にアクセスでき、観光の拠点としてもおすすめです。ここでは、それぞれの移動手段の所要時間や料金、便利なポイントをご紹介します。
電車(MRT)
西門町への移動で最もおすすめなのがMRT(台北捷運)の利用です。最寄り駅の「西門駅」は、板南線(ブルーライン)と松山新店線(グリーンライン)が交差する主要駅で、アクセスが非常に便利です。
台北駅からは1駅・約3分で到着し、運賃はおよそ20元(約90円)とリーズナブルです。駅の6番出口を出ると、すぐに賑やかな西門町エリアが広がっており、ショッピングやグルメをすぐに楽しむことができます。
タクシー
タクシーを利用すれば、重い荷物がある時や短時間で移動したい時に便利です。台北市内から西門町までは約2kmの距離で、所要時間は約5分。
初乗り料金は85元(約400円)で、その後は距離に応じて加算され、最終的には100〜150元(約450〜700円)程度が目安となります。メーター制で安心して利用でき、台北駅周辺やホテル前からすぐに乗れる点も魅力です。

バス
バスを使ってのアクセスも便利で、台北市内各地から西門町方面への路線が多数運行しています。台北駅から乗車した場合、所要時間は約10分で、運賃は15元(約70円)程度です。
EASYカードや悠遊卡を使えば乗車もスムーズで、小銭の準備も不要です。バス車内のアナウンスや表示は中国語が中心なので、乗車前に路線番号と停留所を確認しておくと安心です。
まとめ
西門町は、台北の流行と伝統が融合する魅力あふれる街です。ショッピング、グルメ、スイーツ、歴史的建築、フォトスポットまで多彩な楽しみ方ができるエリアで、何度訪れても新しい発見があります。
アクセスも抜群で、初めての台湾旅行でも安心して訪れることができます。日中は街歩きや買い物、夜はライトアップやグルメを満喫できる西門町は、台北観光のハイライトになること間違いなしです。